【岩手県】避難所受付の時間を15分の1に。避難所外避難者の位置情報や支援ニーズをLINEで把握可能にした防災DX事例
2024年9月18日岩手県久慈市にて、GovTech Expressを活用した「令和6年度岩手県避難所運営デジタル化実証実験」が行われました。これまでも避難所チェックイン機能の事例はあったのですが、今回バージョンアップした点、実証実験の結果についてご紹介いたします。
1. チェックイン機能とは
従来、紙受付だったものをLINEを使って自動チェックインすることで、受付に並ぶ行列をなくすことや、受付簿に記入されたものを職員が手入力するなどの作業を省くことが可能となります。また、チェックインの情報を関係者がリアルタイムで把握することにより、報告するという手間も省きます。
チェックインの方法は2つ
住民は、自分の情報や状態を事前に登録し、QRコードをLINE上に自動生成。生成されたQRコードを避難所などの施設で読み取ることによりチェックインする方法。
避難所などの施設のQRコードを読み取り自動チェックインした後、住民が自分の情報や状態を登録する方法。
現在、すでにGovTech Expressを使って避難所チェックインを実装している自治体は、鹿児島県さつま町、愛知県常滑市、山形県庄内町、熊本県宇城市です。
2. バージョンアップした避難所チェックイン機能
1.マイナンバーカードを活用し登録をスマートに
登録項目には、名前・住所・生年月日・性別などが含まれています。この4情報はマイナンバーカードを認証することにより自動取得することが可能なため、手入力する必要がありません。
*LINE Pay公的個人認証サービスを利用しています。
2.災害時に柔軟に対応できる読み取り機
読み取り機はインターネットに接続していてQRコードが読み取れるカメラがあれば機械を特定しません。避難所に読み取り機を設置する必要はなく、災害時に公用スマホや緊急時は職員のスマホでも対応することが出来ます。もちろん、避難所ごとにマイナンバーカードの読取り機も必要ありません。低コストで備えることが可能です。
3. 新しく追加した避難所外避難者を把握する機能
これまでは、避難所にきた住民の受付を行うという実証実験のみでしたが、岩手県避難所運営デジタル化実証実験では、避難所に来なかった住民の位置情報把握や支援ニーズの把握を行う訓練も行いました。
1.避難所にいない住民の位置と支援ニーズを把握する
住民は自分の位置情報を送信することができ、さらに何が不足しているかなどの支援ニーズを報告することが出来ます。
職員は、報告された情報をマップ上で確認することができます。
自治体のLINE公式アカウントに友だち登録している住民に報告を促すことや、避難所チェックインしていない住民に対してセグメント配信し、報告を促すことも可能です。
2.報告のあった住民にコンタクトを取る
支援ニーズに合わせて住民とコンタクトを取ることが可能です。
岩手県避難所運営デジタル化実証実験で実際に、「食料の不足」「飲料水の不足」と報告した住民に向けて一斉に送ったメッセージ配信画面はこちら。
4. 実証実験の結果報告
1.避難所受付
紙受付とLINEを活用した自動チェックインのタイムを測った結果、一世帯あたりの受付時間は、紙受付が3分16秒で自動チェックインが13秒となり、15分の1に受付時間を短縮することが出来ました。
住民の受付だけでなく、職員が名簿作成などで作業する時間を含めるとより大きな効果が出ていることがわかります。
2.岩手県担当者と住民の声
5. 報道
9月18日に実施した実証実験には、10を超える報道機関にご参加いただきました。報道の一部をご紹介します。
6. さいごに
GoveTech Expressは機能を追加してもオプション料金が発生しません。そのため、起こるかどうかわからない防災業務や何年に1回しかない例えば選挙事務などに費用をかけることなくデジタル化し、備えることが可能です。
今回の実証実験では、マイナンバーカードを読み取る機械やタブレットなど避難所に装備する機械が必要なく低コストで備えることができること、避難所以外にいる避難者をマップ上で位置や状況把握できることがポイントとなっています。
自治体が行いたいと思った機能を、自由にカスタマイズし実現することができるGovTech Expressは今後も進化しつづけます。どのようなことを実現したいかぜひご相談ください。
【参考記事】