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【埼玉県毛呂山町】電話対応を6割削減。申請も問合せもLINEで完結、固定資産税家屋調査の日程調整

毛呂山町では、追加費用のかからないサブスクリプションサービス「GovTech Express」を活用し、LINEを通じて「固定資産税に係る家屋調査の日程調整」を行っています。これにより、職員も住民も電話に縛られず、LINE上で手続きを完結させることができるようになりました。また、日程調整時に家屋図面などの資料を送付してもらうことで、家屋調査の時間を短縮することに成功しました。

本noteでは、既に町で導入をしているGovTech Expressを利用し、追加費用なしで開庁時間に縛られることのない日程調整等を行っている事例を紹介します。

毛呂山町役場

1. 自治体概要

人口:32,162人(2024年10月1日時点)(毛呂山町HPより)
友だち登録者数:9,285人(2024年10月1日時点)
LINEのトーク上で完結する手続き:罹災証明書の発行申請、住民票の申請、印鑑登録証明書の申請、(非)課税証明書、納税証明書の申請、軽自動車税納税証明書、滞納なし証明、家屋調査の日程調整、出生連絡票、子ども医療費申請、保育園欠席連絡、学校欠席連絡、放課後学習教室欠席連絡、子育て応援給付金の受給届出、国保脱退申請、国保限度額適用認定証の申請、国保被保険者証再交付申請、国保人間ドック受検申込、後期高齢者人間ドック受検申込、後期高齢者限度額適用認定証の申請、後期高齢者被保険者証再交付申請、犬の死亡届、農用地証明の申請、農用地除外証明の申請、公共施設予約、体育施設予約、支援センターオンライン相談、妊産婦オンライン相談、育児教室、農地に関する相談、農業集落排水の対象エリア確認、ごみ分別検索、水道の開閉栓、町民の声、災害通報
LINE ID:@xat.0000171629.cry

2. 毛呂山町の課題

家屋の新築や増築が行われた場合、固定資産税の算定のために家屋調査が必要です。毛呂山町では、秋頃に対象者へ手紙を送付し、電話や窓口での日程調整を行ってきましたが、調査の繁忙期には職員が外出していることが多く、電話一本で日程調整が完結しない場合もありました。また、電話対応による業務の中断が職員にとって負担となっていました。

税務課の窓口

3. 取り組みの概要と特徴

家屋調査時の流れ

3-1. QRコードによるLINEでの申請案内

家屋調査対象者に送付する手紙に、LINEでの日程調整申請を案内するQRコードを記載しました。これにより、住民は24時間365日、いつでもLINEで日程調整の申請ができるようになりました。
また、家屋調査時に必要な家屋図面を事前に送付してもらうことで、職員が調査前に家屋の状況を把握でき、調査時間の短縮が実現しました。

家屋調査日程調整の申請画面
1画面で申請内容の確認ができる職員側受付画面

3-2. LINEを活用した住民からの問い合わせ対応

日程調整の申請後、LINE上で問い合わせができるフォームを設置しました。これにより、住民はいつでも日程変更などの問い合わせが可能となり、電話対応のように電話口で申請内容を確認する手間が省け、職員の負担も軽減されました。

お問い合わせ画面

3-3. 職員から住民への連絡もLINEで対応

職員が住民へ連絡する際も、電話ではなく「GovTech Express」のフォローアップ機能を使い、申請者のLINEにメッセージを送信できるようになりました。職員はメッセージを入力して保存を押すだけで住民にメッセージを送付できます。

職員側フォローアップ入力画面              住民側LINE

3-4. 処理状況に応じたメッセージの自動送信機能

「GovTech Express」には、処理の状態に応じてメッセージを自動で送り分ける機能があります。これにより、日程調整完了時や取消時に状態を変えるだけで適切なメッセージを配信できるようになりました。

 完了時のメッセージ      取消時のメッセージ

4. 結果と住民の声

電話一本で完結しないこともあった日程調整が、LINEを利用することで、住民も職員も24時間365日いつでも行えるようになった結果、総件数の内62.7%の方がLINEによる日程調整を行いました。
また、家屋図面の事前受領により、調査時に図面を記録する手間が省け、調査時間が約3分の2に短縮されました。
住民からは「使い慣れたLINEでいつでも申請できて便利」「LINEで申請できるようになって便利になった」といった声が寄せられています。

5. 職員の声

写真左から LINE申請検討プロジェクトチーム委員(坂本様、山崎様)、
         企画財政課DX推進係(村田様)、税務課資産税課税係(田川様)

資産税担当者様

・何より電話のやりとりが減ったのがいい。住民をお待たせしての電話対応が負担だった。また、この時期は、家屋の評価をしているので作業の中断が減ったのも嬉しい。

毛呂山町ご担当者様

・アンケート作成などで問題が生じても、Bot Expressのパートナーサクセスマネージャーに相談することで、解決策を一緒に考えてもらえるサポート体制が整っている。このため庁内で積極的にGovTech Expressの利用を進めている。
・製品のマニュアルだけではなく、毎月の研修を通じて自分のスキルアップが図れる。

6. さいごに

税務業務は、時期によって職員の負担が大きくなることが多いですが、毛呂山町の事例は、デジタル化によって業務の一部を自動化し、効率化を図った事例です。今回は固定資産税家屋調査の日程調整についての事例を紹介しましたが、同じ仕組みは高齢者の見守り事業やウェルカムベビー訪問事業の日程調整などにも活用できます。

「GovTech Express」は、既存の型にとらわれず柔軟にカスタマイズ可能な製品であり、住民や職員にとって使いやすい形で運用できます。
今後も、住民と職員双方に寄り添った事例を創出していきたいと考えています。

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