Bot Expressの2023年度報酬改定。その内容を前年度と比較しながらご説明します。
Bot Expressは、2024年2月から6年目に突入しています。昨年2023年度は、契約団体数が約130団体から約220団体とほぼ倍増し、成長軌道を進んでいます。*契約団体のほとんどは基礎自治体となります。
チームのメンバーも9人から17人と増員しており、Visionを共有するコアな仲間の輪が次第に広がってきています。この仲間(チーム)は、Bot ExpressのVisionに向かって日々成果を上げようと取り組んでいます。
会社の事業で成果がでたら、それを報酬に反映させることが会社の責任だと考えています。福利厚生やその他の有益かどうか未知数な社員向けサービスを無理に拡充せず、シンプルに給与として支払う。純粋に給与を上げることが、チームにとって最もバリューがあると考えています。税務上は最もコスト高になりますが、それよりも、懸命に取り組む仲間が最も望む形で報酬を支払えればと考えています。
チームの会社に対するバリューは、Visionの実現に向けた貢献。
会社のチームに対するバリューは、報酬。
このシンプルな考え方で、両者Win-Winで一丸となって事業に取り組みたいと考えています。この考えのもと、今年度も2024年2月に全社員の給与改定をおこないました。その結果を共有したいと思います。昨年度のデータもあわせてご紹介します。
報酬実績
下記にてそれぞれご説明していきます。
平均昇給率:20.45%
まず、これは基本給のみの昇給率です。インセンティブやボーナスなどは含んでいません。昇給率は、前年度の給与と次年度の給与の差分を示しています。したがって、前の給与が低ければ昇給率は高くなる傾向にあります。逆に前の給与が高ければ、昇給額が同じでも昇給率は低くなる傾向にあります。
そのような数値なので、昇給額全体の大きさは測れない指標ではありますが、他社あるいは一般的な平均昇給率と比較して、自社がどの程度昇給をアグレッシブにおこなっているかを知る指標にはなると考えています。その点で、この昇給率は社会一般的な昇給率と比較して明確に突き抜けて高い水準であり、「報酬が重要」という会社のコンセプト、そして実態(貢献度)と現状給与にギャップがあれば一気に昇給をおこなうというポリシーを十分実践した結果になっているのではないかと考えています。
なお、今回の昇給率の最大値は57%となっています。
平均昇給額:128万円
これも、基本給(年俸)のみの昇給額です。インセンティブやボーナスなどは含んでいません。一般的に100万円以上の昇給が年次のベースアップで提示されるケースは稀で、プロモーションなど特段の昇給事由がある場合に提示されるボリュームだと思います。このような金額が平均昇給額となっていることは、繰り返しになりますが、「報酬が重要」という会社のコンセプトを十分実践した結果になっているのではないかと考えています。
なお、今回の昇給額の最大値は360万円となっています。
平均年収:817万円
平均年収は基本年俸と支払い済みのインセンティブ(詳しくは後述)の合算金額です。昇給率の割には2023から2024年にかけて平均年収があがっていませんが、これは2024年はまだ支払い済みのインセンティブがなく、基本年俸のみで算出しているためです。
いずれにしても、平均年収についてはまだ十分な水準ではないと考えています。次第に上がってはいますが、国内のトップ水準、およびグローバルの水準、物価を鑑みると決して胸を張れません。この報酬水準をあげていくためには、よりチームの生産性、個々人の能力を向上させ、筋肉質で密度の高いプロフェッショナルチームになっていく必要があると考えています。現状、ここまでの事業成績を見ると、売上のトップラインは伸長していますが、社員数の増加によって2021年度をピークに徐々に1人あたり売上は下がってきています。生産性を高めることに緊張感を持ち、そのためのブレークスルーがあるはずだと考えて、積極的に仮説検証を繰り返したいと思っています。
一方、Bot Expressは創業初年度を除き継続して黒字決算となっており、営業利益率は高い水準を確保しています。一般にアーリーステージのスタートアップは決算は数年赤字のままで、Equityによる資金調達をおこない、利益よりもインストールベースの拡大に向けて積極的に投資していくケースが少なくないと思います。
当社ではそういった定石には従わず、創業時より一貫して「出ていくお金より入ってくるお金が多くなる」ように経営しています。投機的な投資、多方面での投資はおこなわず、これだと思った策に一点集中した投資をおこない、ほとんどのことを「やらない」選択をし、支出の無駄を神経を研ぎ澄まして削減しています。これは、目先の支出を減らしているというより、無駄を容認する習慣を徹底して排除するためにおこなっています。
賛否両論あると思いますが、この「商売の原点」に忠実な方針によって会社の財務体質は非常に堅牢になり、そして自由度が最大化され、ときにクレイジーなアイデアでも真顔で実行できるという個性と強みになります。
インセンティブ
Bot Expressでは基本的に年俸制となっており、入社時および給与改定のタイミングで固定年俸を決めて、それを毎月12分割して支払うというシンプルな報酬体系となっていました。また、この年俸は全額基本給で構成されており、ボーナス、インセンティブという仕組みはありませんでした。これは、基本給というものが最も安定した給与であり、最も社員が望むものであり、一般に最も上げるのが難しい報酬だという考えから、まさにそれにフォーカスした報酬体系にするのが最も社員に対して報いることができる誠実な責任の果たし方だという考え方からでした。
しかしながら、ダイナミックな事業の状態・状況、そして想定以上のメンバーの汗と成果を目の当たりにしたときに、逆に基本給だけでは十分にその成果に対して会社の責任を果たせない、つまり弾力的に十分な報酬が支払えていないと感じるようになりました。そこで、基本給を上げていくことを重要視するスタンスは変わらず、不足したと考えられる分には積極的にインセンティブを支払うことに方針転換しました。
我々は事業の成長を予測しながら、年間を通して採用活動をおこなっていますが、結果的に成長に即したスピードで採用ができているかといえば、十分ではなく、ときに社員1人あたりのワークロードは非常にタフなものになっていました。こういった点からも、ダイナミックな事業のシチュエーションと成果に合わせて報酬を支払うことのできるインセンティブは、合理的なオプションだと思い改めたためです。
結果、昨年度は2回インセンティブを支給しています。1回目は2023年8月。このタイミングでは新規契約の伸びに対して人材採用計画が完全に遅れをとっており、日に日にワークロードが増大する中、既存メンバー、特にパートナー(自治体)に伴走するパートナーサクセスマネージャーが歯を食いしばってがんばってくれました。そのようなパートナーサクセスマネージャーの貢献に報いるため、在籍3ヶ月以上のパートナーサクセスマネージャー全員に、各自の給与1ヶ月分のインセンティブを支給しました。
2回目は2024年1月の決算時。このタイミングでは1年間を振り返り、目を見張る成果を発揮された社員に対して個別に金額を設定し、インセンティブを支給しました。
これらの期初には予定していなかったインセンティブですが、結果的に2023年度中に社員1人に支払われた最高額は563万円となっています。
最後に、現在の採用状況について
現在、以下の職種について積極的に採用をおこなっています。
既存のメンバーはエンジニアを除いては官公庁出身者が多いですが、もちろん民間企業出身者の方や官公庁のビジネスについてこれまで経験がない方でも問題ありません。
Bot Expressで採用時に重要視しているのは、現時点での経験や能力よりも、基本的人格、そして事業と人に向き合う姿勢です。
信頼こそがもっとも大切な価値であることを理解し、その理解に基づいて行動する。協働する人たちを尊敬し、大切に接する。毎日、そしていつになっても謙虚な気持ちを忘れず、いつまでも「自分には知らないことがある」ことを認識して成長に貪欲であること。これらがBot Expressが仲間として求めている人物像です。その上で、私たちのVisionに心底共鳴し、そのVisionの実現を思うと毎朝目覚めることが楽しみになる。そんな方に出会えれば私たちは最高にHappyです。
素晴らしい方に来ていただき、成果を出していただければ、必ずそれに報いることができるよう、納得できる報酬をお支払いする。それが私たちのコミットメントです。この記事でそんな私たちの考え方について1人でも多くの方に知っていただき、共鳴する方々に出会えれば幸いです。