【鹿児島県さつま町】QRコードをスキャンするだけ。避難所受付のデジタル化で、避難者情報をリアルタイムに集約
災害発生時には、スピーディーかつ適切な判断が常に求められます。鹿児島県さつま町では、避難者に氏名・電話番号・住所を記入いただき、その内容を職員がメールや電話、MCA無線を使って対策本部へ報告していたため、避難状況の把握に時間がかかってしまったりと、様々な課題が挙げられていました。
これらの課題を解決するための実証実験がスタートしていますので、ご紹介します。
1. さつま町の概要
2. 避難の流れ
これまでの避難所運営では、
(住民)避難者名簿を記入
(避難所職員)避難者数をメール等で報告
(対策本部)報告内容を別ファイルにまとめる
と、避難当日に複数の作業が発生していましたが、QRコードをスキャンするだけでこれまでの一連の流れを、一人の避難者当たり約10秒で完結することを可能にしました。
住民による事前登録
住民は、避難者名簿に記載していた情報(氏名、電話番号、住所)をさつま町LINE公式アカウントに登録し、専用のQRコードを発行します。
避難当日はこのQRコードを見せるだけで避難手続き完了。一度登録しておくだけで何回でも使用する事ができます。(※一人のLINEアプリで複数人の登録も可能です。)
避難所運営職員による避難者管理
避難者から提示されたQRコードをスマートフォンもしくはタブレットのカメラでスキャンします。スキャンが完了すると、避難者情報の他に避難した場所、入所日時が管理画面上に自動保存されます。
また、避難者が退所する際に同じQRコードをスキャンすると、データベースの同じ保存先に退所日時のみが保存されるため、避難者情報が重複することはありません。
対策本部による避難所状況のリアルタイム把握
事前にレポートを作成しておくことで、報告内容をまとめる必要なく全避難所の状況をリアルタイムで把握することができます。
もちろん特定の避難所のみを抽出や、過去の避難状況を確認することも可能です。
3. 工夫した点・特徴
避難所の混雑状況の確認
避難所の混雑状況をLINE上で確認することができます。
こちらの機能は「スポット検索機能」を活用していますが、スキャンで入所報告をした避難者数と連動しており、手動で変更する必要はありません。
QRコードの代理発行
スマートフォンを持っていない、LINEアプリをインストールできない、といった住民の方もいます。さつま町では、要援護者やQRコードを発行できない方については、QRコードを代理発行して対象者に郵送することで、全住民が利用できる仕組みを構築しました。
4. さつま町様コメント
5. さいごに
昨今、線状降水帯の発生など豪雨が増加している中、スピーディーかつ適切な防災情報の発信及び避難所運営はまず初めにクリアしなければならないポイントであり、多くの自治体で課題に挙げられているのではないでしょうか。
この機能は、過去に甚大な被災を受けて、誰一人取り残さずに住民を守りたいという担当者の熱い想いからアイディアを出し合って実現しましたが、GovTech Expressでは柔軟かつ誰でも利用しやすい仕組みを構築することが可能です。
この機能を利用するにあたっては、避難者は「QRコードを見せる」、避難所職員は「スキャンする」というルールを徹底するだけで、簡単に運用ができる仕組みになると思います。まちの安心・安全を強化するため、全国で検討いただければと考えています。
GovTech Expressを利用している自治体であれば、追加費用なく実装することができますので、導入を検討される場合は是非パートナーサクセスマネージャまでご相談ください。
▼プレスリリースはこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000096169.html