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渋谷区ハッピーマザー出産助成金「LINEで申請・セブン銀行ATMで受取」発表会の様子をレポートします。
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渋谷区ハッピーマザー出産助成金「LINEで申請・セブン銀行ATMで受取」発表会の様子をレポートします。

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2022年7月1日、渋谷区LINE公式アカウントから出産助成金のLINE申請・セブン銀行ATMから銀行口座不要で助成金を受け取ることができる住民サービスを新たにスタートしました。

開始日当日は、渋谷区澤田副区長CIO、セブン銀行松橋社長、セブン・ペイメントサービス河邉社長、Bot Express代表取締役中嶋による報道機関向け発表会を、オンラインとオフラインのハイブリッドで実施。プレスリリースでは書ききれなかった事業背景や期待する効果など、発表会でお伝えした内容を記者会見レポートとしてシェアします。

渋谷区の概要

人口 229,489人(令和4年6月現在)
LINE開設 2016年
主なLINEの機能 住民票の写し・印鑑証明書・税証明書等の証明発行、国民健康保険の加入等の手続き、妊婦面接等の予約、犬に関する手続き、道路・公園の不具合や落書きをLINEから通報など

取り組み概要

渋谷区ハッピーマザー出産助成金「LINEで申請・セブン銀行ATMで受取」 出産時の経済的負担の軽減を図り、安心して出産ができるよう、渋谷区で出産した人を対象に支給される助成金「渋谷区ハッピーマザー出産助成金」を、LINEで申請しセブン銀行ATMで受取ことができる行政サービス。 これまでは窓口に行くか、申請書を印刷し記入・郵送するかのいずれかで申請。
▼詳細(プレスリリース)
https://note.bot-express.com/n/n306b5f4d921e

プレゼンテーション

1. 渋谷区が考える住民接点「LINE」の重要性

登壇者:渋谷区 副区長CIO 澤田 伸

渋谷区「user experience design 2.0」

渋谷区で実現しようとしている・もしくは実現している「user experience design 2.0」。住民に可能な限り非来庁のサービスを推進する、そのためにデジタルの力をふんだんに使っていく、というのが渋谷区の基本的な考え方です。その中でLINEを顧客接点としての重要度をもって対応しています。できる限りデジタルのサービスを普及させながら、来庁時には窓口で丁寧に対応をする。この両輪を相互にサポートし合いながら行うのが、基本理念です。

最近ではマイナンバーカードが普及しており渋谷区での普及率は5割。今年、マイナンバーカードを活用した渋谷区独自のサービスを展開予定で、さらに付加価値を高めていきます。

次に、オンライン空間でのサービス充実。単にオンラインで手続きするだけではなく、オンライン会議システムを用いてFace to Faceで対応するサービス導入を、今年度考えています。

さらに、Web 3.0 メタバースの空間を使って、職員・住民がアバターになって相談できる場を設けていきます。住民は自分の姿を見せない方が相談しやすいこともあります。渋谷区は様々な機微情報を扱っているので、アバターを用いることで相談しやすくする。そのような空間も検討中です。

2016年、自治体として国内で初めてLINE公式アカウントを開設しました。2018年にはAIチャットBotを使って24時間365日住民対応をAIが行う機能を導入しました。2021年には、マイナンバーカードをスマートフォンから読み込んで本人確認を行う技術(JPKI認証)も導入し、マイナンバーカードを使った機能を拡張しています。
現在では、アンケート、通報、予約、手続きなど30を超える機能をLINEに実装し、ここまでLINEでできるんだ、というところまで来ています。
渋谷区の世帯3割以上が登録をしており、世帯の1/3にリーチできるような大きなメディアになってきています。

今回の取り組みは、渋谷区LINE公式アカウントの深度を高めていくもの。
この数年、自治体から送金を受ける機会が増えたと思います。なかなかデジタル化できておらず迷惑がかかっている面もありますが、その課題を解決するエースサービスになると考えています。
今回、PoCとしてハッピーマザー出産助成金からスタートし、将来的にはありとあらゆる送金サービスにこのソリューションの活用を検討していきます。
これにより、銀行口座をもっていない、もしくは銀行口座を持ってはいるが世帯主に振り込まれてしまうなど、本当に必要な人にお金が届かないこともあります。One to Oneで必要な人に届けていく、というサービスになる本件、しっかりと実証実験で効果を測っていきたいと思います。

2. セブン銀行 ATM+の世界

登壇者:セブン銀行 代表取締役社長 松橋 正明

欲しい時にすぐにお金がおろせることを目指し、オリジナルでユニークなATMサービスを展開してまいりました。今日時点26,000台を超えるATMを日々お使いいただいています。また、日本のダイバーシティを拡げるため外国人の金融アクセスのサポートや目の不自由な方へのバリアフリー等も順次展開してきました。

世の中は大きく変化し、産業の垣根も無くなっています。我々もATMの中に閉じこもるのではなく、プラス(+)を定義しました。顔認証やスマートフォンのアクセス性を高めるなど変化しています。これでさらに社会課題を解決していきます。

ATM+は、誰一人取り残されない社会に向けて、あらゆる手続き・承認の窓口となる世界を目指しています。行政関係でマイナポイントの申し込みやマイナンバーカードの健康保険証との紐付けは進めていますが、ATMならではの給付金が受け取れるというのはメリットが大きい。口座がないサービスは非常に有効であると考えています。今回の取り組みの有用性を渋谷区・Bot Expressと共に実証していき、給付金DXで便利な世界、安全な社会を日本全国に拡げていきたいと考えています。


3. LINE申請、住民利点と職員の業務効率化

登壇者:株式会社Bot Express 代表取締役 中嶋 一樹

実際の画面を用いて説明します。渋谷区LINE公式アカウントと友達となった時に、いくつかの質問に回答いただきます。その際「妊娠していますか?」という質問に回答された方に対して、渋谷区の方からPUSHで助成金のご案内を行います
案内だけではなく「申請はこちら」というボタンからそのまま申請が可能です。

続いて渋谷区の職員側がどのように送金するのかデモ環境を用いてご紹介します。画面左側が渋谷区職員の操作画面です。住民が行った申請の中身を確認できます。職員側で実際の住民なのか、要件を満たしているのか等確認し、送金手続きを行います。

その後、セブン銀行のシステムに対して送金の依頼が飛んでいき、処理が完了すると、住民に対し送金のお知らせメッセージがLINEから送信されます。届いたメッセージの確認コードを用いて住民は現金を受け取ることができます。

助成金の制度において重要なことは、
恩恵を受けるべき人が、できる限り全員その恩恵を受けることができること
だと考えています。それを実現するための重要なポイントが2つあります。

①知っていただく
自治体が広報誌等でお知らせしたとしても、なかなか住民に届きません。住民の日常的なサイクルの中にポップアップを出して知らせてあげることが大事です。LINEは予算や時間をかけずに必要な方にリーチ可能です。これまで住民目線のサービスを積み上げた結果、渋谷区のLINE公式アカウントの世帯カバー率は37%を超えています。これにより「知っていただく」ことが実現します。

②助成金を利用してもらう
申請の手続きを行い無事に完了していただかないといけません。オンライン申請だとしても、専用のアプリケーションを必要としたり、説明書を読まないといけないとなると障害となります。可能な限り、申請の操作ハードルを低くして、申請完了まで住民を導かなければなりません。今回の取り組みは、LINEのトークのまま、友だちと会話するように回答していくことで申請が完了します。このトークの形式は、窓口で職員が住民に対して案内するのと同じ流れです。それが一問一答のメリットです。

今回のこの仕組みは、セブン銀行ATMを利用することによって、銀行口座を使わずに受給が可能です。多くの日本人は銀行口座を持っています。
LINEで申請をする際に、受取のために銀行口座名や番号などが必要です。セキュリティ面では問題ない状態だとしても、心理的に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。そういう方々はセブン銀行ATMを選択することで機微な情報を入力せずに受給できます。

今回の仕組みの特徴は、本人確認や受給方法など選択肢を多く用意していること、かつ工程の中にある障害物、躓きそうな部分を取り除いたということがポイントとなります。
Bot Expressでは、このようなオンラインの手続きでは、ほとんどの方が、今すぐ、手元にあるもので、簡単に実行できるもの、を開発したいと考えています。

4. ATM受取の仕組みと今回の取り組みについて

登壇者:セブン・ペイメントサービス 代表取締役社長 河邉 弦

個人から企業への支払いは電子マネーやQRコード決済等新しいものが生まれてきています。逆に企業から個人への送金は、新しいサービスが生まれてきていません。多様なニーズに対して、コンビニでシンプルに受け取ることができるのではないかということでATM受取が誕生しています。

ATM受取の仕組みは非常に簡単で、受取人は特定の番号をATMに入力するだけで出金されます。送金企業はその番号を受取人に通知するだけです。

今回のハッピーマザー出産助成金、ATM受取に必要な情報は3つです。
渋谷区を表すコード、お客様を特定する番号、当社が発行するワンタイムなユニークな番号です。これだけで出金が可能となります。お客様の「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生み出し続ける。これは当社のパーパスです。お客様の多様なニーズに新しい選択肢を与えていけたらと考えています。

質疑応答

渋谷区という自治体、セブン銀行およびセブン・ペイメントサービスという金融会社、Bot ExpressというGovTechに特化したITスタートアップ。
カラフルな面々で実施する本事業。記者も、社会・経済・金融・自治体・Tech系と各領域から総勢20名が集まってくれました。質疑応答を一部ご紹介します。

質問(社会部新聞記者):
事業に対する期待、行政サイドの業務効率化や誤入金の解消など期待されると思うが、行政サイドのメリットを教えてほしい。

回答(澤田副区長CIO):
渋谷区は全庁をあげてDXの取り組みに力を注いできた。区民サービスの質をあげることが最も重要な目的であることと同時に、職員の業務生産性をあげること、効率化が二次的な目標となっている。デジタルの力で生産性をあげることは比較的簡単だが、空いた時間をどこに動かすのか区民サービスを考え、区民サービスを実行する。人間にしかできないことにより質的な能力と時間を移動させる。これがDXの本流の考え方。よってデジタルにしっかり投資する。今回のサービスは、One to Oneで必要な送金ができる、画期的なサービス。銀行口座に振り込む場合は、その情報を入手しなければならない。書き間違えがあるだけで、住民に問い合わせを行うなどの作業が発生する。日本全国の多くの人が使っているソリューションであるLINEを使って、出来るだけミスを最小化していく。区民にとって最適で最短な方法を提供していく。実証実験で出てきた課題を受けて、より良いサービスを作っていく。

質問(経済部新聞記者):
このようなサービスを他自治体に展開するにあたりハードルや課題があれば教えて欲しい。

回答(Bot Express 中嶋):
現状のハードルは、住民のニーズが見えないということ。受け入れられるであろうという仮説をもって実施しているが、実際の声を聞いてみないとわからない。
特にセキュリティ面。セキュリティのシステム的な面というよりは、心象的な面でセキュリティに対する不安があるかもしれない。当社のこのようなサービスは申請の最後に住民に対して「便利だったか否か」アンケートで確認をするようにしている。自治体のこのような施策は住民からの評価で信を問われるべきだと考えている。まずは本施策に対する住民の想いがどこにあるのか、というところに注視していく。

報道

当日から翌日にかけて続々と報道。一部をご紹介します。


最後に、渋谷区民の反応もご共有。発表当日、渋谷区民に対して渋谷区LINE公式アカウントより本サービスの開始をメッセージでお知らせしました。その後SNSでは、渋谷区民と思われる方の「申し込もうと思っていたから助かる!」という声も複数見られました。実際にLINEからの助成金申し込みが届いています。
サービス公開後、即座に利用につながる「説明書のいらない行政サービス」が実現しました。誰もが使い慣れているLINEならではです。これから、利用量や利用者のフィードバックを受けてレビューを行い、より良いサービスに改善していきます。

この取り組みは、渋谷区にて1年間実証実験として行いますが、その実験と並行し全国の自治体でも導入可能です。Bot Expressと共に、住民が24時間365日、いつでも好きな時にオンラインの役所を訪れて、行政サービスを受けることができる、そんな未来を実現しましょう。お気軽にお問い合わせください。






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市役所・病院・学校。町のすべての窓口を、スマホの中に。 官公庁、主に地方自治体が運用するLINE公式アカウント上に、役所のもう一つの窓口を開設するサービス「GovTech Express」を提供する株式会社Bot Express公式note。