【富山県魚津市】LINEで完結。マイナンバーカードを利用したオンライン行政手続き
2021年12月、全国ではじめてLINEで完結できるマイナンバーカードを利用した行政手続きが富山県魚津市でスタートしました。手数料の支払い含め、LINE上ですべて完結することができるため、LINEとマイナンバーカードさえあれば、住民は24時間365日どこにいても手続きができるようになります。追って、いくつかの自治体でも近々に同様の取り組みが開始される予定です。
どんな手続きができるのか?
従来、窓口による申請や、郵送による申請が必要であった手続きについては、「役所の窓口に行く時間がない」「郵送でのやりとりに時間がかかる」等の懸念がありましたが、マイナンバーカードとLINEさえあれば、24時間365日どこにいても手続きをすることができるようになったことにより、住民は手続きのために時間や場所を気にする必要がなくなります。
また、既に引っ越しをして郵送による手続きをされる方が多い「転出届」や、本籍地=住所地ではない方も多いことから、郵送による手続きをされる方が多い、「戸籍の附票」「独身証明書」「身分証明書」については、自分で書類を作成し、役所へ送付するという時間や手間を省くことができ、今までよりもスムーズに住民が手続きをすることが可能です。
本人確認は一体どうやって?
私たちは、犯罪収益移転防止法の改正により可能となったeKYC(顔認証)によるオンライン上での本人確認の手段に加え、JPKI(公的個人認証サービス)による本人確認を新たな手段として提供をします。
JPKIとはマイナンバーカードを使った本人確認の仕組みです。捏造することが難しい電子証明書を含むカードとPINコードによって、オンラインでの手続きにおいて高精度に利用者の特定をおこなうことができます。
なお、JPKIによる本人確認を利用した、オンライン申請は以前からありましたが、従来のオンライン申請との違いにも是非注目してください。
実際に体験してみましょう
転出届を実際に起動してみます。
引越しをしていると窓口に行くことも難しく、また郵送でやりとりをすると書類の準備含め時間がかかってしまいますが、LINEによる申請であれば約1分で手続きが完了します。
もしも申請に不備があったら?
窓口による手続きに比べ、オンライン申請による課題があります。それは届出不備があった場合の住民への確認方法です。
従来の郵送による手続きや、オンライン申請では下記のような課題がありました。
ですが、これからは職員の皆様はそんな心配をする必要がなくなります。それは届け出不備等があった場合に住民とLINE上でやりとりすることが可能だからです。
住民は自治体からのメッセージを日常的に利用しているLINEから確認可能なので、より確実かつ即時的に通知を認識することができます。また、開庁時間を気にせず自分の好きなタイミングで返信をすることができます。職員は住民に繰り返し電話して確認する作業から解放されます。LINEを送って確認待ちリストに入れるだけです。
他にどんな手続きに組み込めるのか?
このシステムでは、市区町村独自の申請等についても開発業者に開発を発注することなく職員自ら「LINEでの申請」としてサービス化することができます。そして、そのように作成した任意のオンライン申請サービスにJPKIの機能を組み込むことが可能です。
職員自らサービスを作成し、リリースすることができるので、自治体は都度予算化する必要なく、行政手続きの電子化を次々と進めることができます。システム開発を外部に委託する時間やコストを省きながら、「多くの住民に利用されるオンライン手続き」の実現を図ることができます。
最後に
今回の提案に賛同いただき、先行してこのJPKIの仕組みに取り組んでいただいた自治体の皆様、リリースに向けてご一緒させていただきありがとうございました!
私たちは、今回ご紹介した行政手続きだけではなく、各種申請・予約等様々な自治体が提供する行政サービスを、自治体の皆様と一緒に、ほとんどの人が今すぐ利用できるサービスとして、実現していきたいと思っています。
なお、今回公開した機能について、住民向けのアンケートも同時に実装しているため、アンケート結果を後日集計し、公開させていただく予定です。結果についてお楽しみに!
※本投稿は2021年12月27日に投稿したものを再掲載したものです。