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【青森県平川市】リアルタイムの除雪情報がLINEで確認可能に。除雪事業者からの報告もLINEを活用

雪国では除雪のような雪に関する住民サービスが欠かせませんが、平川市では、日々の除雪の対応状況をLINEから確認できる手続きを2月1日にリリースしました。 

本文で使用する画像は2024年2月2日時点のものです

自治体概要

人口:29,713人
友だち登録者数:923人(2024年1月19日時点)
LINEのトーク上で完結する手続き:住民票の申請、税証明書の申請、印鑑登録証明書の申請、ごみの収集日通知、ごみの分別方法検索、献立・アレルゲン情報配信、受信設定
LINE ID:@hirakawa_city

取り組み

今回の手続きは、除雪作業者がトーク上から対応状況を送信し、その情報を住民がトーク上で照会できるというものです。

まず、除雪の作業を行う方は事業所名と氏名の2つの情報をトーク上から送信し、除雪作業者の登録を行います。作業者登録が完了している場合のみ、工区と対応状況の情報を日々トーク上から送信することができます。

このときに送信された情報はGovTech Expressの管理画面に格納されますが、利用者(住民)は夜10時から翌日の9時の間までトーク上で自由に確認することができます。

なお、朝の9時から夜の10時まで一時的に照会手続きをストップする設定などは全てフローという自動処理ツールを使って設定しているため、今回の手続きリリース後、自治体側で必要な作業は原則ありません。

工夫

平川市でGovTech Expressの所管をしている政策推進課の小山内さんと建設課の齋藤さんにお話を伺いました! 

- 降雪地域ならではの住民サービスとは

中原:東北地方は雪が多そう!という漠然としたイメージはありますが、平川市の降雪量はやはり多いですか?
齋藤さん:地域によって差はありますが、平野部で80㎝、山間部では200㎝ほど積もります。そのため、路肩には大人の背丈ほどの雪が積み上がることもあります。

中原:小山内さんや齋藤さん自身も市内にお住まいかと思いますが、朝にご自身で雪かきをされる際は、どのくらいの労力がかかるものでしょうか?
齋藤さん:家の前の雪かきで30分から1時間はかかります。雪が多い日だと複数回の雪かきが必要なので、仕事へ行く前の朝と仕事が終わった後の夜に行わなければなりません(汗)。降雪状況によって1日の予定が変わることもあります。

- 今回の手続きのビジョン

中原:そうすると、除雪という住民サービスが降雪地域の住民にとってとても重要な役割を果たしていることが分かりますね。ちなみに、今回の手続きをリリースすることによるBEFOREとAFTERについてお伺いできればと思いますが、特に住民にとってどのような点での住民サービス改善を期待していますか?
齋藤さん:事前に出動予定が分かるので、除雪についてのストレス緩和や朝の雪かきの予定に役立ててほしいと思います。

また、市外に住む方であっても、親の実家が市内にある場合など、離れていても除雪状況を把握することが可能なので活用してほしいです。今後も、住民にとって安心で住みよいまちを目指していきたいです。

- 手続き構築を振り返って

中原:除雪の対応状況をメールでお知らせしている自治体もありますが、なぜ平川市はLINEを活用しようと思いましたか?また、住民がLINEのトーク上で除雪の対応状況を確認できることのメリットについてどのようにお考えでしょうか?
小山内さん:平川市では、「LINE公式アカウントの登録者数をどのように増やすか」という課題がありました。そこで、LINEを活用して除雪情報を配信することによって、1人でも多くの住民に平川市のLINE公式アカウントの存在を知ってもらおうと考えました。

また、メールであれば受信ボックスからメールを探す必要がありますが、LINEであればリッチメニューから数タップで除雪情報にアクセスできるという点で、よりストレスが少ない導線にできると考えています。

除雪事業者が対応状況をこまめに更新することができます

中原:リリースまで、DXを進める部署と担当課はどのような連携や役割分担をしましたか?
小山内さん:担当課の方で「こうして欲しい」という要望をもとに、私のほうで中原さんと相談しつつ設定作業を行いました。そうして完成したものを担当課の皆さんに試験環境で確認してもらい、また新しい要望や改善点などを出してもらい修正する、といった流れを繰り返しました。

中原:参照やフローなど、今回始めて使う設定も多かったと思いますが、除雪の対応状況をLINEから確認できるという、前例のないユニークな住民サービスを作成した感想を教えてください!
齋藤さん:今後も改良点などあると思いますが、GovTech Expressは職員側でカスタマイズなど行えるので、修正対応も柔軟に行えると思います。パートナーサクセスパートナーの中原さんには大変お世話になりました。

さいごに

平川市は約2週間という短い期間で、何度もブラッシュアップを重ねています。

例えば、初期の設定では、事業者が誤って何度もその日の対応状況を登録しないよう、1日につき1登録しかできないような制御をかけていましたが、担当課から「事業者が間違って登録しても上書き更新できるようにしたほうがよいのではないか」という意見が上がり、設定の変更が行われました。

また、事業者が対応状況を登録する際に工区を選択しますが、「間違った工区を選んで登録してしまわないように、パスコードを設定するとよいのではないか」といったアイディアが上がったため、一度挙動の変更を行いました。ただ、実際に操作いただいた事業者の声を反映し、最終的にはパスコードを設定しない仕様にしました。

担当職員の声をスピーディーに反映する手続きを構築できるのは、GovTech Expressの特徴の1つです。職員自らが手続きを構築できるプラットフォームを活用し、今後も日本全国で地域の実情に合ったユニークな手続きが増えていくと面白いですね!

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