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【千葉県白井市】トライアル時に保護者9割以上が利用、教育委員会からも喜ばれる。LINEを使った学校連絡と教職員専用機能 セミナーレポート

8月20日、「トライアル時に保護者9割以上が利用、教育委員会からも喜ばれる。LINEを使った学校連絡と教職員専用機能」をテーマに、千葉県白井市中島様をお招きしBot Express Showcase 第26回を開催しました。自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。

1. 事例紹介

登壇者

千葉県白井市 秘書課 中島 大輔 様
民間を経験し、2014年度に地元白井市に入庁。市民安全課、しろいの魅力発信課を経て、2019年度から秘書課に所属。現在は、長年担当してきた広報紙の編集を後輩に引き継ぎながらLINEの拡張に取り組む。趣味は「ボードゲーム」。市民団体「しろいdeあそ部」を立ち上げ、地域の人と日夜交流している。

▼白井市概要

・面積:35.41㎢
・人口:62,320人
・職員数:約430人
・予算規模:約213億円
2024年4月よりGovTech Express導入開始

▼デジタル戦略

LINEは、GovTech Express導入前から秘書課が運用していたことから引き続き秘書課が主管です。「デジタル情報発進力の強化」として、デジ田交付金を活用してGovTech Expressを導入しました。「市民にとって便利な機能が必要」ということで、様々な機能をLINEに実装しています。

▼LINEに実装していること

「使えそうな機能はとにかく実装しよう」というスタンスで活用しています。一部、「動いていないが、こういう機能がある」ということをPRするためにボタンとして置いている機能もあります。

  • リッチメニュー
    タブ化していますが、基本的には閉じた状態で設定しています。情報発信がメインなので、長いフレックスメッセージを一画面で見られるようにするための工夫です。

  • 申請
    30代までの若い世代が対象の補助金申請をLINEで行えるように設定しており、現在、8〜9割がLINE経由で申請されています。受けるだけでなく決定通知もLINE上でPDF交付しており、郵送の手間・費用も省くことができています。

  • 予約
    40代以上が対象の住民健診は4割程度がLINE経由となっています。

▼実装の進め方

ボトムアップで要望をもらい、業務改善に繋げることをメインに考えて実装するのが理想ですが、実際にはこちらでデモを作り、プレゼンをしていくことが多いです。その際も業務改善になるということを強調して説明しています。

▼学校連絡機能
学校では以前より他のアプリを使ってメッセージ配信や欠席連絡のサービスを利用しており、これまでもデジタル化ができていたような状況です。しかしながら、学校によって同じアプリを使っているのに欠席連絡は電話、というような差がありました。

GovTech Expressを学校連絡機能に活用した理由は、以下のような面倒な業務が解消されると感じたからです。

  • アプリは各学校が独自に行っていたので、教育委員会からのメッセージ配信が全て各学校経由での配信となり手間になっていた。

  • 更新作業は各学校で行う必要があった。

GovTech Expressのマニュアル通りに設定すれば、学校毎にパスコードを設定し、第三者が勝手に登録できないような仕組みが可能です。独自の工夫としては、学校毎に特別学級や部活が登録できるようにしました。

欠席連絡などの操作は1ページで完結するようにしています。未実装ですが、今後はここで入力した情報を別途契約している健康管理システムに取り込めないかと検討中です。

市のLINEで実施していますので、市、学校、教育委員会のお知らせがLINEの検索機能で拾えるように、メッセージの頭に学校名を入れて発信しています。

管理画面から登録内容を確認したり、メッセージを配信することが可能。

教職員専用の機能を用意しました。QRコードから起動する非公開アンケートで、教職員の情報を各自で登録した後に、専用ボタンを押下すると学校連絡の状況が確認できます。例えば、連休明けの火曜日の欠席者を、休日に家から確認することが可能です。

LINE上でどこからでもメッセージを配信できるよう実装しました。例えば部活の遠征でバスの時間が遅くなり、保護者に連絡をしなければならない、といった状況で、先生がバスの中から連絡をすることができます。

▼スケジュール感

小中14校のうち、トライアル期間として2校で運用しています。トライアル校が上記スケジュールでうまくいったので、残りの12校についても同様のスケジュールで運用する予定です。

トライアル校の運用前には、教育委員会との調整が必要でした。GIGAスクール担当職員(自治体の職員で現在教育委員会にいる&PCに詳しい)にBot Expressの資料を元に説明したり、教育委員会の中でも学校現場が分かる方に話を聞きました。その後、トップダウンの力を借りるため教育長に説明、OKをもらい、導入に至りました。1月からGovTech Expressのトライアルを始め、学校に導入する前に教育委員会と何度も調整を行いました。

▼苦労・工夫

これまでのアプリでは、各学校で使い方が異なっていたので、LINEでは使い方を統一して実装する必要性を感じ、各学校へのヒアリングを行いました。
課題感を持っている学校には、大体のことは実装可能であることを伝え、要望を確認しました。

当市では入力・レビューを同時にしていただけるWebフォーム型の回答を多用しております。また、保護者が以前登録した内容を修正したい場合は、一旦情報を削除し、再登録の必要があるのですが、削除する際に学校用PWを表示させ、学校側に「PWは何でしたっけ?」という問い合わせが来ないような工夫をしています。

▼今後の展望

機能の組み合わせで大体のことはできるサービスなので、もっと庁内に広報していきたいと思っています。その後、各課から要望が上がってきたら、素早く実装し、要望が熱いうちにトライ&エラーを繰り返すことが大事だと思っています。
また、一緒に推進できそうな人を見つけて進めていくことが重要だと思っています。横のつながりも大事にしながら、着実にサービスを拡大したいと思っています。

2. 学校・教育関連

▼デモンストレーション

デモをご覧になりたい方はこちらの画像をクリック

▼他自治体の活用事例

広島市:給食献立の配信、98%が利用し続けたいと回答 寝屋川市:予約機能の1つとしていじめ相談予約を実装 伊勢市:二十歳のつどいでの受付をQRcodeで管理

▼新しい使い方の紹介(デモあり)

デモをご覧になりたい方はこちらの画像をクリック

3. 質疑応答

<導入・庁内調整>
Q:LINEを活用するうえで反対意見もあったと思いますが、どのようにして乗り越えて導入しましたか?
A:総務省からLINEヤフー社に指導が入っていたこともあり、市のHPでセキュリティ対策のページを作成し「安全です」ということを伝えました。学校側に説明する際も最初に市のHPにセキュリティ対策の内容を記載しているということを説明しました。

Q:学校分野は、教育委員会、PTA、学校の先生など調整する部門が多くありますが、調整するうえでの苦労とそれをどう乗り越えたかを教えてください。
A:システム的に実現したいこと、運用方法の希望が学校毎に異なるので、個別調整などの苦労をした上で、トップダウンの力も必要であると考え、対応しました。

Q:トライアル時に課題となったことがあればお聞かせください。(特に保護者の反応など)
A:HPに、セキュリティ対策を掲載するなどの準備をしていましたが、学校連絡に関しては、保護者から反対意見が飛んでくるようなことはなかったです。逆に言うと、LINE上に「学校連絡」というメニューを置いた状態でしたので、「うちの学校ではいつ始まるのか」という肯定的な意見が多かった印象、課題はあまり感じなかったです。

Q: LINE未登録の方が一部いると思いますが、その方へは別のアクションをとるということになると思います。それでも、LINEでの連絡の効率化は明確ですか。
A:別のアプリの時にも導入しない方が一定数いらっしゃって、イレギュラー対応していましたので、それに関する反発はあまりなかったです。
教育委員会がメッセージ配信を主体的に送れるようになり、学校側の負担がなくなるので、教育委員会側から説明をしていたような状況です。

<保護者の登録>
Q:新年度に再登録をお願いする運用だと思いますが、生徒登録の期限が切れ、新クラスが発表されるまでの間は、電話連絡等で対応するような運用ですか?
A:原則として、登録は年度で期限が切れる設定にしていて、具体的には毎年翌年4月8日までにしています。教育委員会から3月中に全体メッセージで「4月8日で期限が切れるので新クラス発表後は再登録をしてください」と配信する運用を予定しています。

Q:クラス等の変更があった場合のメンテナンス作業のボリュームはどの程度か。運用していてトラブル等はあったか。
A:職員でなく保護者が登録することを想定していて、トライアル校では3月に登録して実際にどうなるか試しましたが、大きなトラブルはありませんでした。

Q:仮入部や部活動が決まっていない生徒には、どのような案内を行っているのか。部活動を変更した生徒にはどのように対応しているのか。
A:保護者の方が一度情報を削除し、再登録する形を取っています。

<メッセージ配信>
Q:メッセージ配信のルールなど決まりは作っているのか。(緊急時のみ配信等)
A:学校毎にやりたいことが違いすぎるので、システムとしては用意しますが、ルールは学校に任せるようにしています。

<その他>
Q:欠席、遅刻のほかに早退の選択肢も用意されていると思いますが、早退は全体連絡のうちどれくらい使用されているか。
A:欠席75%、遅刻20%、早退5%です。

Q:重複登録を防止する工夫は?
A:現状はしていません。保護者が重複登録する時にエラーが出るので、その場合にエラー対応というボタンを使っています。通常クラスと支援学級は1回で登録することができます。

Q:なりすましの対策は?(中学生で子供が登録するなど)
A:現状は登録の際にパスワードを要求するのみで、なりすまし対策は実施していません。実際に問題が起きうるようであれば何らかの対策を考えたいと思います。

Q:LINEで連絡が届いた後公務システム等の連携はされているか?
A:現状連動はしていません。当日朝8時までの欠席者リストを学校の代表メールに送信する設定をしているので、管理システムに入れない先生でも、その日の欠席者リストを見られるようにしています。

4. 「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressの営業担当執行役員仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は元自治体職員ですので、自治体職員目線で的確なアドバイスが可能です。ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。レゴブロックのように、自治体の規模や業務フローに応じて、様々な機能を自由に組み立て、実装することができます。

1.説明書がいらないIT
聞かれたことに答えるだけ。一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。電話や窓口と同じ形がチャットボットで実現できます。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
深夜や早朝でも連絡可能。LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信や給付金に伴う送金手続きも可能です。

3.LINE、Webで利用可能
LINEやスマートフォンをお持ちでない方も利用可能なように、Webブラウザ版もご用意しています。住民の誰一人も取りこぼすことのなく公平なサービスを提供可能です。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能です。自分達で開発できるプラットフォームですので、新規予算や仕様書作成なども不要です。
各自治体でオンライン化した手続きはこちらからご覧いただけます。

5.全国でシェア
2024年8月時点で270以上の自治体職員が利用・開発し、「スマホ市役所」は日々急速に広がっています。他の自治体が実装しているサービスはすべて利用可能。短期間、一律料金で追加費用なく新機能が利用できます。

▼セキュリティ
LINEヤフー株式会社の追加規約に同意することでLINEにデータを残さない仕組みをご用意しています。また、他のシステムをご利用中の場合でも共存可能な仕組みになっていますので、ぜひご相談ください。

また、自治体LINE公式アカウントを他事業者でご利用中の場合でも、共存が可能ですので、ご要望がありましたらぜひご相談ください。

▼事例紹介
25事例をご用意した事例ブックをご覧ください。HPお問合せフォーム又はBot Express LINE公式アカウントよりご連絡ください。

座間市 職員参集訓練

串間市 キャンプ場予約

総社市 生成AIが24時間市民の疑問を解消

常滑市 避難所チェックイン

5. Bot Express登壇者


株式会社Bot Express シニアパートナーサクセスマネージャー 淺田 恵里
誰でも利用できる行政サービスを充実させ、住民の暮らしを豊かにしたいと思い、名古屋市役所へ入庁。区役所での窓口事務や、条例等を制定する本庁部署において区役所事務の円滑な運営を支援。2021年6月より現職。パートナー自治体職員と共にGovTech Expressをフルに活用して多くの機能や手続きの実装に取り組む。


株式会社Bot Express 執行役員 営業担当 仁志出彰子
23年勤めた前職の大津市役所では勤労福祉、情報システム、学校教育、保健予防、経営経理、経営戦略の業務に携わっていた。その経験を活かし、住民により便利な市役所サービスを提供するだけでなく、忙しい公務員を助けることができるBot Expressのサービスをたくさんの自治体に知ってほしいと思い営業として入社。


株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。


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