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【福岡県鞍手町】8割以上の職員が利用する、LINEで給与明細。初期開発費用ゼロで、印刷郵送コストもゼロに。

鞍手町は、追加費用のないサブスクリプションサービスであるGovTech Expressを使用して「給与明細配信機能」を構築しました。これにより、すべての職員が自分のスマートフォンを通じてオンラインで自身の給与明細を確認できるようになりました。

本noteでは、新規の別システムを導入することなくGovTech Expressを利用し、追加費用なしで給与明細のデジタル配信が可能となり、「職員の利用率8割以上」「初期費用がゼロ」「シーラーの作成・印刷とコストがゼロ」「派遣職員など郵送が必要な職員への発送作業とコストがゼロ」となった事例についてご紹介します。


1.自治体概要

人口:14,873人(2024年6月末時点)(鞍手町HPより)
友だち登録者数:3,253人(2024年9月1日時点)
LINEのトーク上で完結する手続き:職員給与明細配信、プッシュ型妊娠周期情報配信、プッシュ型子育て情報配信、ごみの分別方法検索、ごみの日リマインダー、受信設定
LINE ID:@kurate

2.取組概要

鞍手町は、令和6年3月分の給与明細書から職員がLINEで給与明細を発行できる手続きを開始しました。利用する職員は、事前に初回登録を行うことにより毎月の給与明細が発行されたタイミングで通知を受け取ることと自身のスマートフォンで給与明細を発行することが可能となります。

給与明細の初回登録画面

給与担当者は、紙媒体で発行していたときに生じていた給与明細書の印刷、シーラーの圧着作業、各課局への仕分け、派遣職員や休職中の職員への発送作業のコストと作業をゼロにすることが可能となります。

3.工夫したこと

職員情報管理のシステム化
当初、全ての既存職員情報を集約し、職員(会計年度任用職員の含む)を採用した際には、職員名簿データベースを随時更新する体制を確立しました。このデータベースには、職員の基本情報(名前、初回登録パスコード、職員番号、所属部署など)を含め、これを給与明細の配信のための基礎データとして利用します。このシステムにより、データへ迅速かつ正確にアクセスすることが可能となりました。

給与明細の配信方法の改善
また、給与明細の配信には当初、視覚的にわかりやすいフレックスメッセージ*を使用していました。しかし、家族との共有を望む職員のニーズにも応えるため、PDF形式でも給与明細を受け取ることができるように改修しました。この改修により、職員は自分の給与明細をより容易に家族と共有できるようになりました。
*フレックスメッセージとは画像やボタンを用いて視覚的にわかりやすいメッセージのことです。

給与明細の機能概要
給与明細のフレックスメッセージ

4.結果

職員の登録率は82.4%で、紙での受け取りを選択した職員は約20%未満でした。LINEを登録していない職員や、これまでどおり給与明細書が必要な方には紙媒体での対応を行っています。

給与明細を受信した職員の方からのコメント
LINEを活用した給与明細書に変わって、支給額や明細が見やすくなり、スマホでいつでもどこでも内容確認ができるようになりました。
・紙媒体の給与明細書と比べて、紛失しない点やPDFとして保存でき予算削減等が大きなメリットだと感じました。
・LINEを活用した給与明細書に変わり、とても助かっています。

5. 職員インタビュー

今回の手続きの企画と構築に携わった総務課電算係の溝上耀平さんと、総務課人事庶務係の花岡桜さんにお話を伺いました。

須藤:今回、GovTech Expressを利用して実施した経緯について教えてください。
溝上さん:パートナーサクセスマネージャーの方が来庁された際に、給与明細書の電子化を相談し、LINEを活用した給与明細書の配信を提案していただきました。これまで、セキュリティの問題やランニング費用の問題があり導入できていませんでしたが、セキュリティの高さと追加費用も生じなかったため、実装することになりました。

須藤:今回、給与明細手続きをLINE化したことで職員の登録率が80%を超えましたが、今後の活用について構想を教えてください。
溝上さん:給与明細は毎月配信されるものなので、職員がLINEをブロックするということはないと想定しています。そのため多くの職員が使うもので、これまでExcel管理や紙でやりとりをしていた職員検診(総合検診、歯科検診、女性がん検診)の予約等について活用を検討しています。

須藤:鞍手町として町公式LINEをどのようなアカウントにしていきたいですか?
溝上さん:住民サービスの拡充が一番ですが、まずは職員1人ひとりがGovTech Expressの活用内容に興味を持ち、サービス拡充につなげていきたいと思います。

6.鞍手町様コメント

鞍手町 総務課電算係 溝上さん(左)、総務課人事庶務係 花岡さん(右)

システム管理者 総務課電算係 溝上耀平様
LINEを活用した給与明細書の発行をご提案いただき、費用負担をすることなく給与担当者の業務改善や効率化や印刷コストの削減を達成することができました。
LINEを活用した配信のため、新たなアプリをインストールする必要もなく、簡単なアンケートに回答するだけで職員登録ができ、職員の登録率8割以上につながったと感じています。また、金額のカンマ表示設定やPDF出力等の機能強化も行うことができ、大変満足しています。

人事給与担当者 総務課人事庶務係 花岡桜様
これまでの紙媒体での給与明細書の印刷、シーラーの圧着作業、各課局への仕分け、派遣職員など郵送が必要な職員への発送作業に手間と時間がかかっていました。LINEを活用した配信だと給与計算処理を行う過程で作成されるデータをLINE配信用に置き換えるだけの作業に変わり、業務効率化につながりました。

7.さいごに

パートナーサクセスマネージャーが鞍手町を訪れた際、セキュリティ面、コスト面の観点から導入できていなかった給与明細書のデジタル化に関して議論しました。いくつかの課題を解決するため、私たちは鞍手町にGovTech Expressを用いた給与明細のデジタル配信を提案しました。

この取り組みにより、シーラーの作成時間とコストの削減、紙の分別作業や郵送作業の削減、そして即時利用の促進を実現しました。さらに、多額の初期投資や新しいアプリのインストールなしに、スピーディーにシステムを構築することができました。

GovTech Expressを使用することで、住民サービスの手続きや予約だけでなく、職員専用ツールとしても活用できます。これにより、組織全体の効率化が実現できることも、GovTech Expressの大きな魅力の一つです。

Bot Expressでは、この給与明細配信機能のテンプレートをご用意しています。導入自治体では、追加費用なしで実装可能です。活用を検討する自治体はぜひパートナーサクセスマネージャーまでご相談ください。

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