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【長野県佐久市】住民と職員が簡単に使いこなすスマホ市役所(セミナーレポート)

11月30日、Bot Express Showcase 第8回を開催しました。長野県佐久市をゲストに迎え「住民と職員が簡単に使いこなすUI/UXにこだわったスマホ市役所」をテーマにお話いただきました。今回は220名以上のお申込をいただきました。ノーカットのアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。


長野県佐久市取り組み紹介

長野県 佐久市 情報政策課 佐々木 尊史様
2021年に東京から移住・転職をして佐久市役所に入庁。前職での経験を活かし、LINE公式アカウントの機能検討・開発等を担当。市民だけでなく職員の満足度も高くなるような提案や設計を心がけている。庁内への周知や情報共有も積極的に行い、最も利用されるツールを目指す。移住後の悩みは「草野球チームが見つからないこと」

長野県佐久市の概要
人口:99,381人(令和4年10月末)
LINE開設:令和3年3月
LINE友だち登録者数:21,952人(令和4年11月29日)
機能:メッセージ配信、イベント予約、ごみ分別検索、通報、アンケート、職員用メニューなど

1. 佐久市の取り組み

新型コロナ関連やプレミアム商品券の手続き開始といったタイミングで友だち人数が急激に増え、イベント予約など日常的に使うサービスをリリースしてから安定的に人数が増加しています。
現在191機能があり、トーク画面に出しているメニュー以外にも、特定の人しか使用できない機能や、職員しか使えない機能も用意しています。
活用部署は31部署(全42部署中)で、各部署で幅広く使われています。

▼提供コンテンツ

定期検診で要観察となった人へ自動での定期ヒアリングも。
報告・連絡:道路の破損などの通報機能・環境調査(生きもの探し)の報告など
情報公開:ニーズが高そうな情報について、HPのリンクをLINEで公開
検索・調べる:ゴミの分別・マイナンバーカードの申請方法

▼職員向け機能
庁内の職員と、庁外にいる職員とのコミュニケーションに活用しています。
例えば、選挙で投票所からの報告や、選挙管理委員会からのお知らせであったり、避難所と災害本部とのコミュニケーションに使用します。
パスワード以外にも機能制限を設け、担当者のみ使用できるよう工夫し、実際に使う職員しか使えないよう設計しています。

▼GovTec Expressを使用する利点

▼機能をリリースするまでの流れ

雑談や相談を通して、漠然としたアイデアや意見を業務担当課からヒアリングしています。公開後も細かい対応まですぐに行うよう心がけています。
現在は手が回らないほどの多くの相談を受けていて、好循環ができてると思います。

Bot Express平田(以下、平田):「191機能、31部署で使用中」と聞くと相当長く運用されているように感じますが、実際には当社サービスはいつから使用していますか?

佐々木様:去年4月からです。(約1年半)
平田:現在に至るまで、相当な苦労と積み重ねがあったと思います。この後、その苦労や工夫点などぜひお聞かせ下さい。

2. 住民目線での事例紹介

▼アンケート

ただ選択肢を出すだけでなく、例を載せてメリハリをつけたり、回答しやすくなるような工夫をしました。
デザイン投票は、ワンクリックでできる、気軽に参加できることを心掛けています。住民の参加意識を向上させ、出来上がったものを楽しみにしてもらえるようにと考えています。

▼メッセージ配信

カテゴリごとに色分けしたり、ボタンをつけて見やすくなる工夫をしています。広報誌は、ボタン一つでオンラインで読んでもらえるようなデザインにしています。

▼イベント予約のデモ

育児講座は10分程度で満席になってしまうほどの人気。想定を超える認知拡大と、LINEで受付開始することで気軽に申し込めるようになった効果が出ている
予約開始のお知らせもLINEで受け取れるので、申込みが開始されるとすぐに予約でいっぱいに


3. 職員視点での事例紹介

各職員が誰でもできるように、テンプレートに必要事項を入力してもらいます。入力すると、メッセージのソースコードが自動生成されるので、それをコピーして貼り付け、LINE配信を設定します。
広報担当者が簡単に配信できるようにしているので、担当が変わっても統一的なデザインのメッセージを配信することが可能です。また、メール配信の文面も同時に自動生成しているので、ミス防止にも繋がっています。

▼イベント予約の管理画面紹介

一画面で情報入力が完了するように工夫
抽選機能 この画面だけで抽選・当選・落選の自動通知ができる仕組み

イベントの情報や予約情報を設定するだけで、予約開始・終了やキャンセル待ちも全て自動化しています。予約時に入力する項目も、必要な項目を選択するだけでLINE上に反映されます。予約情報を管理する職員の手間を省き、担当者はこの画面一つでイベント予約を実現できるような仕組みにしています。
職員の手間をできるだけ減らせるような画面構成、最小限の画面遷移にしています。

4. 利用促進の工夫

▼対住民

自治体は幅広いサービスを提供していますが、それを公式LINE上で統合することで、住民に「とりあえずLINE登録しようか」という意識になってもらうことを目標にしています。▼対職員

対職員には、全庁的な情報共有を定期的に行っている

庁内チャットグループでLINE公式アカウントに関するオープンコミュニティを作り、様々な職員とコミュニケーションを取っています。情報共有をメインとしていますが、そこで上がったアイデアを検討したり、次のアイデアに繋げるような活動をしています。

5. 質疑応答

(回答は佐々木様)
Q:一番導入して良かった機能は?
A:ごみ分別が特に人気があります。これまで住民から分かりにくいという声が多かったので助かっています。

Q:プッシュ通知の運用は?
A:広報担当が先ほど紹介したテンプレートを使って配信しています。

Q:プッシュ配信の情報量、運用ルールは?
A:ルールは特にないです。LINEの特性を考えると、スマホ一画面で完結するのが望ましいと考えています。文字の大きさや、テキストの羅列で一文が長くならないよう見やすくする工夫をするため、テンプレートで提供しています。

Q:システム操作がやや難しく、LINE手続き拡充に伴う操作の共有や習熟に苦慮。どう対応しているか?
A:まずは私がGovTech Expressの根本から学び、知見を得ました。開発担当者に対しては勉強会が必須だと思います。設計・開発時には業務担当者が使いやすくなるための工夫が必要だと思っていて、先ほどご説明したような一画面で全て完結する仕組みの検討やマニュアルの作成をしています。

Q:LINEの運営主体はどの課が持っているか?広報部局の役割は?
A:システムは情報政策課、対住民の発信は広報広聴課が行っています。

Q:拡張機能導入の決め手は?Bot Express社に決定した理由は?
A:柔軟な対応ができるところです。特別なものを導入することなく、最初から入っているものをどう活用していくか?という発想で、様々なことが実現できるサービスは、他にはないと思っています。
平田:「初めてGovTech Expressを見てどう思ったか?」という私の質問に対し、「何でもできると思った」という話をいただいたことが記憶に残っています。その時からここまで手続きが増え、想像以上に使いこなしていて、とても驚いています。

Q:LINEの住民通報を導入させるコツ。(担当課が業務が増えると難色を示すことがあるのでは)
A:トータルで見れば業務改善につながりますが、新しいものを導入することは、初めはとても大変だと思います。そこで、全体像を見せたり、テンプレートや画面遷移の工夫など、少しでも楽にできるような提案をしたり、メリットを丁寧に説明するようにしています。
佐久市の職員は前向きな方が多く、理解を示して下さっていることも、ここまで活用が進んだことの大きな要因だと思います。

Q:LINEアンケートだと若年層の意見が多く、高齢者の意見は反映されないのでは?
A:LINE登録やアンケート回答の年齢分布は佐久市のものとほぼ一致しているので、幅広い意見を収集できたと思います。ただ、アンケートの特性を考えながら、紙との併用など常に方法を検討しています。

Q:職員用通路機能について、ビジネスチャットツールは使用せず、LINEのみ使用しているか?
A:現在は庁外にいる職員とのコミュニケーションにビジネスチャットツールを使用していないが、今後開放の検討はしています。使い分けとして、LINEは1対1の対話でなく、報告をより簡易的(ボタンを押して報告が終了する)にできるツールとして棲み分けを想定しています。

Q:基幹系への入力が必要な申請は、基本紙申請書と同様に打ち換えが必要か?
A:直接データのやり取りができないので、CSVでインポートしたり、RPAで自動化して取り込んでいますが、ここは課題だと思っています。

Q:佐々木様は他の業務も担っているか?体制は?
A:LINE以外にもDX推進係としての業務を担当しています。LINE担当者は私一人なので、来年度の課題として、新しい担当者を育成すべきだと思っています。

 「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressの営業担当仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は前職の大津市役所で当社サービスを活用しており、利用者としての経験も豊富です。自治体職員目線でサービスについてお話しできますので、ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

サービスの特徴

情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。

1.説明書がいらないIT
一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信も可能です。

3.LINE、Web、電話で利用可能(Web、電話は2022年度中に提供予定)
住民の誰一人も取りこぼすことのないサービスを提供可能です。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能で、専用アプリのダウンロードは必要ありません。マイナンバーカードを利用した手続きがLINEで完結できます。

5.全国でシェア
他自治体で使用しているサービスはすべて利用可能。追加費用なく新機能が利用できます。メール連携や園児チェックイン機能など新機能を拡充しています。

スマホ市役所による住民の行動変容の事例

利用者満足度98%の魚津市、一時保育利用率がほぼ100%の伊勢市、アンケート回答率が紙の50倍以上になった狛江市など、住民の行動変容を起こすと共に、職員の業務改善につながった様々な事例があります。

最近よくお問い合わせをいただく健康マイレージをご紹介します。

ポイント付与や管理をLINEで行うことが可能です。利用者はポイントを貯めたり、確認(自分が何ポイント獲得しているか)するこができます。

最後に

今回が年内最後のShowcaseとなります。開催情報はLINEでお知らせしますので、Bot Express LINE公式アカウントへご登録いただければ幸いです。

Bot Express登壇者

株式会社Bot Express 執行役員パートナーシップ担当 平田 祐太郎
公共領域に強い関心を持ち、ベネッセ、LINE、DeNAのキャリアで一貫して行政事業に携わる。主に渉外、事業企画、事業開発の角度から数多くの自治体先進事例を創出。2020年9月より現職。圧倒的に便利な住民サービスを提供し、住民の反響をパートナー(自治体)と分かち合うことを、何よりの喜びに感じている。
株式会社Bot Express 営業担当 仁志出彰子
23年勤めた前職の大津市役所では勤労福祉、情報システム、学校教育、保健予防、経営経理、経営戦略の業務に携わっていた。その経験を活かし、住民により便利な市役所サービスを提供するだけでなく、忙しい公務員を助けることができるBot Expressのサービスをたくさんの自治体に知ってほしいと思い営業として入社。
株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。

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