
【愛知県常滑市】チェックイン機能で避難所受付が20秒で完了。防災訓練レポート
大地震などの大規模災害から住民の暮らしを守るため、行政職員は常に先のことを想像し、最善の選択を行なっていく必要があります。災害発生時、避難所受付をスムーズに行うことは、まずはじめにクリアしておかなければならないと考えられます。
今回、11月5日(日)に愛知県常滑市で南海トラフ地震を想定した総合防災訓練が実施され、当社のチェックイン機能を活用したQRコードでの避難所受付の実証実験が行われましたので、その様子をレポートとしてお届けします。

自治体概要
人口:58,687人(令和5年10月31日現在)
LINE友だち登録者数:13,043人(令和5年11月24日現在)
LINEの機能:住民票の申請、税証明書等の申請、受信設定、通報機能、おくやみ窓口予約
アカウント名:常滑市
LINE ID:@tokoname_city
取り組み概要
昨年度の訓練でみえた課題
昨年度も同様に総合防災訓練が実施され、その際の避難所受付には従来どおり紙での受付(名簿へ、氏名・住所・連絡先を記入)が行われました。
しかし、100名が一斉に受付に集まることで大行列が発生してしまい、一部混乱を招いてしまいました。大規模災害時にも同様の発生が想像できます。

今回の取り組み
防災訓練当日までに、氏名・住所・電話番号をLINE上に事前登録していただき、事前登録をしている人はスマホ受付、事前登録していない人は紙受付、と入り口を分けて実証実験を行いました。
スマホ受付の流れ
1.体調不良の有無を確認
2.職員のタブレットで事前登録していたQRコードを読み取る
3.読み取り側の画面に表示される氏名の確認
4.館内へ案内
紙受付の流れ
1.体調不良の有無を確認
2.避難者受付簿に氏名・住所・連絡先の記入を依頼
3.記入済み受付簿を回収 ※通番通りに並べ変える
4.館内へ案内


QRコードを読み取る場面では、スムーズに受付が完了する方もいれば、QRコードを表示するのに少し戸惑う方も見られました。

取り組みの結果
一人当たりに発生した時間は、スマホ受付「20秒」、紙受付「60秒」と大きな差が生じ、今回の実証実験で参加されたスマホ受付者107名で計算したところ、”71分”の時間削減につながることがわかりました。
また、本機能を使うことで、避難者数の報告業務も省略されることから、それ以上の時間削減が見込まれます。
この結果から、大規模災害時に、大行列が発生する課題が解消されるだけでなく、浮いた時間を避難所の現場支援に充てられるため、住民の不安軽減にも寄与するものと考えられます。

関係者からの声
住民の声
事前登録を行った住民の方へ事後アンケートを実施したところ、80%の方が「大変満足」「やや満足」と回答。
満足の理由として、「受付待ち時間が短かった」、「紙を書く手間を省くことができた」といった意見が多く挙げられました。
しかし、その一方「スマホを扱えない人は効率が上がらない」、「当日の体調などをどのように報告するのか」といった課題も挙げられました。


担当者コメント

従前通り紙の避難者受付簿を用いた昨年度の訓練では、多数の避難者が一斉に避難所に集まったことで、受付待ちが多数発生しました。避難者の円滑な受入れを検討する中、GovTech Expressを活用して避難所受付のデジタル化を進められている鹿児島県さつま町様の事例を拝見し、今年度の訓練では、さつま町様の構築された仕組みを用いて避難所受付の実証実験を実施しました。
住民には、訓練前に、市公式LINE上で氏名・連絡先等を登録し、避難者情報のQRコード作成を依頼しました。訓練当日は、受付で職員がQRコードを読み取るだけで避難者情報を取得でき、受付の待ち時間の解消に繋がりました。また、避難者数・避難所混雑状況をLINE上で表示する仕組みを構築し、避難者数の迅速な把握とともに、住民への避難所混雑状況の周知も可能となりました。
デジタルを活用した避難所受付には、「電気・通信ができない場合には使えない」、「すべての方が事前登録いただくのは困難」といった課題があることから、紙での受付との両立を検討する必要があるかと思われます。今回の実証実験により、避難者情報の事前登録により避難者の円滑な受入れが可能になるとの結果を得ることができたので、実装に向けて課題を一つずつ検討していきたいと考えております。
さいごに
今回、「当市の防災訓練で使ってみたい!」と相談を受けてから、1週間で常滑市の環境に適用し、それに合わせて住民から避難所の混み具合が一目でわかるようなカスタマイズも行いました。

Bot Expressのパートナーサクセスマネージャは全国の自治体職員に伴走し、スピード感を持って住民を幸せにするオンライン行政を実現していきます。
GovTech Expressを利用している自治体であれば、追加費用なく今回のような手続きを実装することができますので、導入を検討される場合は是非パートナーサクセスマネージャまでご相談ください。

