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【長崎県南島原市】PUSH型の子育て支援。いま必要な子育て情報を、対象住民にだけ配信する仕組み

南島原市ではイベント情報など通常の情報配信に加えて、妊婦・子育てに特化した情報配信(子育て専用受信設定)にも力を入れています。

希望者は出産予定日や子どもの生年月日をトーク上から登録するだけで、妊婦歯科検診(妊娠7カ月)やフッ化物塗布初回のお知らせ(1歳2カ月誕生日)など自身の属性に合った情報をPUSH型で受け取ることができます。

誕生日から6ヶ月後に配信されるメッセージ

1. 自治体概要

人口:41,560人(南島原市HPより
友だち登録者数:6,693人(2024年2月27日時点)
受信設定登録率:約65%(2024年2月27日時点)
LINEのトーク上で完結する手続き:ワクチン接種券再発行申請、法律相談予約、ごみ収集日をお知らせする通知、避難所検索など
LINE ID:@minami-shimabara

2. 取り組み

自治体では妊娠が分かった方や子育てをされている方向けに様々な子育て施策を用意していますが、今回の取り組みは出産予定日や子どもの生年月日をもとに、自治体が任意で設定するタイミングで行政サービスに関するお知らせをPUSH型で送信するものです。

登録画面

南島原市では、配信されるタイミングを妊娠2ヶ月や子どもの1週間誕生日など、トータルで44回としており、それぞれのタイミングに応じて異なるメッセージを配信しています。なお、配信解除もトーク上から3ステップで行うことができます。

配信メッセージの一例

3. 工夫

子育て専用受信設定の企画と構築に携わった総務秘書課の細波さんとこども未来課の松山さん、永池さん、森塚さんにお話を伺いました!

- 導入経緯

中原:今回の子育て専用受信設定は、どういった経緯で導入が決まったのでしょうか?
細波さん:自分が広報担当に配属されてすぐ子どもが生まれたのですが、これをきっかけに南島原市には子育てに関する有益な制度や仕組みが多く存在することを知りました。そこで、これらの情報を必要とする人へ最適なタイミングで届ける手段がないかを考えた時に、受信設定(※)を応用すれば可能ではないかと思い、まずはプロトタイプを作成して2023年7月に担当課へ提案。8月下旬にリリースしました。

※受信設定とは:自治体から受け取りたい情報のカテゴリ(イベントや子育て情報など)を住民自らが選択できる設定

総務秘書課の細波さん

- PUSH通知のメリット

中原:これまでは、どういったタイミング・方法で各施策を周知していましたか?また、今までの周知方法の難しさはどういうところにありましたか?
森塚さん:基本的には市ホームページや広報紙、子育てガイドブックなどで発信し、ワクチンや乳児相談などは個別通知で行っていました。広報紙の掲載は年に1回でしたので、皆さんに必要なタイミングで届けることが難しいと感じていました。ホームページに関しても掲載したことを知らせることが難しいと感じていました。

中原:妊婦・子育てに特化した情報配信はメールや別アプリで行うという選択肢もあると思いますが、登録からメッセージ受け取りまでをLINEで行うことについて、どのようなメリットがあると考えていますか?
細波さん:近年はメールではなくLINEが主なコミュニケーションツールになっていると思うので、確認してもらえる可能性が高いことからもLINEでの配信を決めました。また、本市の友だち登録者の傾向として若年層の割合が低いとの課題があったのですが、子育てに関する有益な情報を受け取れるサービスは友だち登録のきっかけになると思うので、子育てを行う若年層の取り込みに繋がるといいなと考えています。

乳児相談の様子

- ビジョン

中原:子育て専用受信設定のように、必要な情報をPUSH型で教えてくれるサービスがあれば、自分に合う情報を探しに行く手間も時間も減らせそうですね。永池さんとして、今回の取り組みがどういった点で住民サービス向上につながることを期待していますか?
永池さん:1度の登録で自分に必要かもしれない情報が自動で届くので、特に不安が多い妊娠期や目を離せない乳幼児期には助かるサービスだと思います。今後は、乳幼児相談や健診の欠席連絡から次回予約までをLINEで行えるようにしていきたいと考えています。

左から松山さん、森塚さん、永池さん 

4. さいごに

制度は作ることがゴールではなく、その制度を利用することで幸せになる住民を増やすことにあると考えています。一方で、制度は増えれば増えるほど、住民にとっては何が今の自分にとって必要かを見極めるためのコスト(情報収集の時間や労力など)が発生してしまうもの。

そうした点から、今回のような「的確に届ける仕組み」というのは、自治体の「使ってほしい」と住民の「教えてほしい」を叶えるものとして、実は制度そのものと同じくらい重要な取り組みともいえます。

GovTech Expressであれば、特定のタイミングで健診予約の開始をお知らせするメッセージを送り、住民はメッセージにあるボタンをタップすると健診の欠席連絡をトーク上から送信できるといったシームレスな体験を提供することも可能です。

今回の取り組みで使用しているアンケートは、GovTech Expressをご利用いただいている自治体であれば、コピーして使っていただくことができます。導入を検討している自治体は、パートナーサクセスマネージャーまでご相談ください。

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