見出し画像

トークでワクチン接種予約。2回目接種含め正しくみんなが予約できる仕様を形にしました。

これからコロナウイルスのワクチン接種が国内でも始まります。接種実施に向けて、現在各自治体では接種の予約の仕組みを検討されていると思います。当社でも70以上の自治体から問い合わせいただき、かなりの時間をかけて共同で仕様についてディスカッションをしてきました。特に、以下の点がポイントになります。

・接種券をもとに接種対象者を正しく特定できるか。
・2回目接種の予約日を正しく制御できるか。
・2回目接種の会場選択を正しく制御できるか(1回目と同じワクチンが用意されていること)
・1回目、2回目で重複予約を防止できるか。

この議論を踏まえ、当社で現状ベストと考えられる仕様を洗い出し、実装までおこないました。すでに利用できる状態にあります。

この記事ではその仕様とプロトタイプのデモを解説していきます。

1回目の接種予約

1回目接種でのポイントは接種券番号を使った照合です。申請者が自治体側の接種対象者リストの中にあり、かつその本人であることを確かにする必要があります。そのため、接種対象者には接種券番号を入力していただき、本人かどうかを確かめるために追加の質問をおこないます。実装のポイントは下記3点です。

・接種券番号を接種対象者リストと突き合わせする。
・生年月日をあわせてヒアリングし接種対象者情報と照合する。
・同じ接種券番号を使った予約は1回のみ可能とする。ただし、予約をキャンセルした場合は再度予約可能とする。
・必要に応じて接種券のOCRを組み込んで接種券番号を高精度に入力可能とする。

デモ

OCRにあたり、接種券のフォーマットは事前に学習させることができます。したがって、自治体独自のフォーマットでも問題なく認識させることができます。

接種履歴の入力

予約はWebの管理画面で確認することができます。2回目の予約に備え、実際に接種がおこなわれたかどうかの接種履歴を管理する必要があります。

デモ

2回目の接種予約

2回目接種では、1回目と同様に申請者の照合をおこないつつ、1回目との接種間隔を確保すること、そして同じワクチンが接種できるように会場を制限することが必要です。またワクチンによっても接種間隔が異なる点(ファイザーは21日間隔、アストラゼネカ・モデルナは28日間隔)も加味する必要があります。2回目予約の実装のポイントは下記4点です。

・1回目の接種履歴があるかどうかをチェックする。
・1回目の接種ワクチンに応じて予約可能日を制御する。
・予約できる接種会場を1回目の接種ワクチンが接種可能な会場に制限する。
・同じ接種券番号を使った予約は1回のみ可能とする。1回目の予約とは別で重複を管理する。

デモ

外部のシステム(国が提供)との連携

厚労省は接種実績を国のシステムに連携することを求めることを示唆しています。現時点では国のシステム側仕様が不透明なため、具体的な実装や連携可否は判断できませんが、少なくともAPI(プログラムを使った連携の受け口)を通じてデータが自動連携ができる構成である必要があります。おそらくは国のシステムのAPIに自治体側のシステムからアクセスする形になると思われますので、無理なく外部へのCalloutができることが求められます。

「無理なく」という部分は意外と重要で、妥当な時間と費用でできるかどうかに大きく影響します。

また、国は自治体側が最小限の労力で連携ができるよう、理論上連携可能なシステムではなく、実質的に連携可能なシステムを構築いただきたいと考えています。

まとめ

この仕組みで重要なのは以下の点だと考えています。

・できる限りオンラインで予約が完結するよう、使える仕組みにする。
・不正な予約が出ないよう、予約時に確実に制御をおこなう。

現在各自治体では、様々な手法を検討されていると思います。主な手段はWeb、LINE、電話があげられます。電話の件数が増えると労働力が必要になるため、できる限りオンラインで予約できることが望ましいと考えられます。

このとき重要なのは、実質的にオンラインでの申請率を上げることであり、理論上網羅的な手段を提供することではないと考えています。一般的に自治体は公平公正に受け口を提供しなければならないという責任の観点から、「理論上すべての方が利用できる」と議会や住民に説明できる方式を検討する傾向があります。しかし、建て付けを整えても、申請率が低くなってしまっては意味がありません。どの方式を採用するにしても、申請率が最も高められるかどうかという観点で検討をおこなうことが重要だと考えています。

当社の場合、Chatbotで誘導的に予約をおこなっていただく形が、最も「窓口で職員に相談する」形に近く、ユーザーが迷わないと考えています。そして、Chatbotでの予約と、LINEやITが苦手な方々向けには「電話」を用意することで、全住民をカバーしつつ、架電率を最も下げることができるだろう、と考えています。

また、せっかくオンライン申請率があがっても、その予約内容にエラー(選択できない会場を選択してしまった等)があっては余計に自治体職員の労力を要することになります。したがって、予約時に接種対象者の状況を正確に特定し、状況に応じて予約できる回数、日時、会場をきっちり制御することが肝要だと思われます。

自治体の中でワクチン接種予約を検討するにあたり、ご参考になれば幸いです。

18
役所のもう一つの窓口をLINEに開設するサービス「GovTech Express」を提供する株式会社Bot Expressの公式note。