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【静岡県磐田市】LINEを使った幼児健診の予約(セミナーレポート)

5月31日、「LINEを使った幼児健診の予約」をテーマに、磐田市こども部 こども未来課 子育てサポートグループ望月氏をお招きし「Bot Express Showcase 第12回」を開催しました。自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。


1.事例紹介


登壇者

登壇者:静岡県 磐田市 こども部 こども未来課 子育てサポートグループ 望月 あゆみ様
磐田市こども未来課で妊産婦健診や乳幼児健診の業務を担当。幼児健診の日程調整業務に着目し、LINEを利用した予約サービスの開始に携わった。今後も市民目線で、利用しやすいサービスの提供をしていきたいと考えている。

▼磐田市の概要

人口:167,375人(令和5年3月末)
職員数:2,059人
LINE:91,538人 人口の約半数が登録
※ワクチン予約をLINEと電話に絞って開始したこともあり、登録者数が増加

▼磐田市LINE公式アカウントの機能

登録者数を活かし、以下のLINE機能を活用しています。
・幼児健診、健康相談、イベントなどの予約機能
・道路の陥没や動物死骸などを写真付きで通報する道路通報機能
・地区を登録するとごみ収集日のメッセージが届くごみ収集日通知機能
・現在地から半径距離を指定し、近い避難所を表示できる避難所検索機能
・受信設定で選んだ情報を配信できるセグメント配信機能

▼幼児健診の日程通知業務

▼LINE予約導入前の流れ

毎月約400人の健診日を指定して郵送し、対象者は都合が悪い場合、電話で日程変更していました。
共働きのご家庭だと平日は仕事で電話ができず、受診日が後ろ倒しになってしまうことも多く、職員は日程指定する業務や電話対応が負担になっていました。

▼LINE予約導入後の流れ

令和5年1月から導入

日程予約の代わりに、フローを参考に予約する仕組みに変更しました。最初から家庭の都合に合わせて予約でき、開庁時間を気にせず日程変更ができるようになりました。

健診予約のフロー

▼導入のメリット

▼住民の声
LINE予約制を導入して5ヶ月ほど経ちますが、利用した方の声を集めるためにフィードバックアンケートを実施しています。
・日中は仕事があるので夜遅くに予約ができるのは便利
・24時間いつでも予約できる
・操作方法に迷わず、使い慣れたLINEでできる
磐田市は外国籍の方が多く、LINEを入れていない人もいるので、そのような場合には職員が予約しています。

▼実現したこと

今後はプッシュメッセージを活用する予定

▼予約の流れ

▼予約の操作デモ
利用者側の操作。兄弟2名の登録と予約、キャンセルなど。

▼管理画面
ダッシュボードで予約者や未受診者を管理。

▼LINE予約実績

意見を反映して改善を続けていますので、続ければ続けるほど満足度は上がると思っています。
LINEを利用せずに予約したもののうち、ほとんどは外国籍の方です。

▼導入スケジュール

検討から考えると10ヶ月ほどかかりましたが、ある程度内容が決まっていれば短い期間で構築可能だと思います。
すでに契約している自治体は、新たな費用がかからないのもメリットだと思っています。

2.質疑応答

回答は磐田市望月様。

Q:導入にあたり、事務の見直しもしましたか?
A:予約制の流れは変わらず、エクセル管理をLINE管理に変えた程度で大幅な見直しはありません。大きな見直しがなかったので移行がスムーズでした。LINEに移行して電話対応が減ったので業務改善につながったと思っています。

Q:健診受診率に変化はありましたか?
A:1月から始めたばかりなので比較データはないですが、未受診者数はほとんど変わっていないです。これまでは仕事を休んで指定された受診日に無理をして来るという方もいたと思いますが、「LINEで自由に日程を選べるのが良かった」という声も多く、導入して良かったと思っています。

Q:出産したタイミングで初回登録を促すのか?どのタイミングか?
A:健診通知を発送するタイミングで初回登録から予約までお願いするように郵送しています。また、赤ちゃん訪問で保健師が訪問した時にも初回登録してもらっています。

Q:電話による予約枠は確保しているか?
A:電話用の枠はありません。日程全体の枠からLINEも電話も先着順で枠が埋まっていく形です。

Q:他の事業者のワクチン予約システムを使っているが、併用できるか?
A:仕様次第ですが、併用ができなかった事業者は今までにありません。共存・乗り換えも可能ですので、別途ご相談下さい。(Bot Express仁志出)

Q:セキュリティについて
A:個人情報を取り扱っている場合、政府ガイドラインに沿っている必要がありますが、地方公共団体プランを選べば、住民とのやりとりはLINE社のサーバーに残らない仕組みになっています。当社サーバ(Salesforce社)にデータが格納されますが、このセキュリティは強固なものになっていて、安心してご利用いただけるものになっています。(Bot Express仁志出)

Q:LINE運営主体はどの課?
A:広報広聴シティプロモーション課です。こども未来課で何か構築するときなどは、相談しながら一緒に行っています。

Q:LINE登録していない住民への干渉は?
A:初回登録していない方にはメッセージの自動送信がされないので、初回登録を促すのは電話やハガキになります。
ここが課題だと思っているので、今は赤ちゃん訪問で普及させていて、1年半後にはLINEの登録が行き渡る状態になると思います。それまでの間は電話やハガキで対応したいと思っています。

Q:キャンセル待ちはできるか?
A:できませんが、年齢などの上限で「どうしてもこの日に」という場合は職員側の操作で設定し直しています。

※施設予約について
「施設予約で使えないか」という問い合わせがあり、キャンセル待ちや抽選、団体予約、代理予約、時間複数枠の予約は実装できています。個別相談いただければ様々な機能を紹介可能です。(Bot Express仁志出)

抽選予約デモ

Q:予防接種の予約は受け付けているか?
A:受け付ていませんが、初回登録が済んでいればセグメント配信で通知することは可能です。

Q:母親が予約し、父親が予約変更することはできるか?
A:一人に対して複数の方が予約することはできない仕組みです。

3.「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressの営業担当仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は前職の大津市役所で当社サービスを活用しており、利用者としての経験も豊富です。また、契約後に伴走する弊社パートナーサクセスマネージャーも元自治体職員ですので、自治体職員目線で的確なアドバイスが可能です。ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。

1.説明書がいらないIT
一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信も可能です。

3.LINE、Webで利用可能
住民の誰一人も取りこぼすことのないサービスを提供可能です。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能で、専用アプリのダウンロードは必要ありません。マイナンバーカードを利用した手続きがLINEで完結できます。
最近では、出産子育て応援交付金の手続き申請について、2週間で自治体職員自ら実装したという実績もあります。

5.全国でシェア
現在150以上の自治体が利用しています。他の自治体で使用しているサービスはすべて利用可能。追加費用なく新機能が利用できます。

▼スマホ市役所による住民の行動変化を促すサービス
新しい事例を追加し、17の自治体を紹介した事例ブックを配布しています。GovTech Expressは、いかに住民に使われるサービスになるかを重視しています。子育て支援金について、9割がLINEで申請し、セブン銀行の送金も可能な庄内町、LINEを使い、保育指数のシミュレーションや保育施設の検索ができ、家にいながら保活が可能な練馬区など、住民にも職員にも高い評価をいただいているツールとなっています。

橋本市の申請デモ

Bot Express登壇者

Bot Express パートナーサクセスマネージャー矢田 貴宏
静岡県庁に入庁し、用地買収業務、予算編成業務、防災業務に従事。その後民間企業を経て2022年10月より現職。行政サービスのDX化に関心があり、その実現を図るべくBot Expressに入社。GovTech Expressを全国に広め、住民・自治体職員双方が便利になる仕組みを作ることに使命感を感じている。
株式会社Bot Express 営業担当 仁志出彰子
23年勤めた前職の大津市役所では勤労福祉、情報システム、学校教育、保健予防、経営経理、経営戦略の業務に携わっていた。その経験を活かし、住民により便利な市役所サービスを提供するだけでなく、忙しい公務員を助けることができるBot Expressのサービスをたくさんの自治体に知ってほしいと思い営業として入社。
株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。

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