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【熊本県上天草市】市民の半分以上が友だち追加するLINE公式アカウントに、防災アプリと同様の機能を搭載。リアルタイムな避難情報配信や防災無線手続きなどが可能。セミナーレポート

9月12日、「市民の半分以上が友だち追加するLINE公式アカウントに、防災アプリと同様の機能を搭載。リアルタイムな避難情報配信や防災無線手続きなどが可能」をテーマに、熊本県上天草市森様をお招きし、Bot Express Showcase 第28回を開催しました。自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。

1. 事例紹介

登壇者

熊本県 上天草市 企画政策部 行革デジタル戦略課 森圭志 様
2011年度に上天草市に入庁。建設課、農林水産課、熊本県市町村課への出向を経て、2021年度から行革デジタル戦略課に所属。庁内の行政改革の推進や庁内・庁外向けのデジタル化の推進を担当。好きな言葉は「現状維持は停滞ではなく衰退である」

▼上天草市概要

人口  2万3,872人
職員数 288人
LINE友だち数 13,217人

▼DX推進体制

▼GovTech Express活用の経緯
令和3年度に、若手職員による政策提案プレゼン大会を実施し、デジタル技術を活用してどのような取り組みができるのかを議論しました。
市の課題である、様々な媒体からの情報が錯綜していること、来庁しないと手続きできないことを解決する手段として、統一的なアプリの開発が必要だという提案が優秀提案となり、事業化を検討することとなりました。
令和4年度にワーキンググループを設置し、検討内容を考慮して「欲しい機能を搭載しているシステムは何か」システム選定を行った結果、GovTech Expressを活用することに決定しました。令和5年度はデジ田交付金を活用しています。

▼統合版アプリの概要
令和5年度にアプリシステムの機能開発を行いました(GovTech Expressのこと、以降この名称を「統合版アプリ」として説明)。事業目的は市の統一的窓口を構築し、各種行政手続きの申請機能や日常生活に必要な情報の発信を行うことです。上天草市の公式LINEアカウントと連携し、一問一答形式で分かりやすい手続きをシステム構築しようと開発を行いました。
年度末までに各機能検討を行い、令和5年5月6月に職員研修、7月から担当課での機能開発、9月第一弾を住民リリース・運用開始しました。

▼令和5年度における開発の流れ
役割分担を整理し、事業推進部署と開発担当部署に分けました。事業推進部署では機能開発研修の実施、各機能開発におけるサポートを実施、開発担当部署は、機能開発方法の学習と各機能開発を行いました。
他の自治体が構築した機能を一覧として原課に配付し、どのような機能が必要か取りまとめ、機能開発の対象を整理して開発しました。そして、一定機能の開発ができた段階で住民リリースを行っています。

▼統合版アプリの開発状況

25機能を実装しています。防災については避難状況のリアルタイム発信、避難所検索などの機能開発を行っています。
令和6年度以降はデジタル避難訓練の機能開発を進めていきたいと思っています。

▼統合版アプリの搭載機能

市情報等の確認機能、苦情の通報、避難情報、その他各種申請機能を運用

▼避難所検索機能
起点となる位置情報を入力することで近くの避難所を確認できる機能です。開発の大まかな流れは以下の図の通りです。

▼避難所検索機能の手続きの流れ

その他、防火水槽や消火栓等も同様の手続きを検索することができます。目的としては、地域の水利施設の位置を可視化することで、市民の防災意識の向上を図ることと、消防団の活動において、地元以外の場所でも消火栓検索が可能になることで消火活動の円滑化を図りたいと考えています。

▼避難状況の確認機能(既存システムと連携)
既存システムと連携して避難所の状況や市内の被害状況が確認できるようになっています。

▼開発予定機能(デジタル避難訓練)
市民の防災意識の向上を図るため、デジタル避難訓練機能を開発予定。一問一答でシミュレーション形式で体験できるようにしたいと考えています。

▼統合版アプリの利用者状況
令和5年9月に機能開発して、5年度末は153件程度とまだまだ活用が少ない状況です。デジ田で掲げたKPIは達成しましたが、活用推進を図る必要がありますので、市民が求める機能の開発やスマホ教室の開催などに取り組んでいきたいと考えています。
市民アンケートを取った結果、施設の予約機能が欲しいという意見もあり、今後そういった機能のアジャイル開発も進めていきたいと考えています。

▼上天草市デモンストレーション

デモをご覧になりたい方はこちらをクリック

2.岩手県実証実験の紹介

デモをご覧になりたい方はこちらをクリック

LINEとマイナンバーカードを活用した避難所運営をご紹介します。防災アプリ開発やカードリーダー不要で、避難所受付や避難所外避難者の位置把握、MAP上での確認が可能です。

様々な防災機能が実装可能。詳細はジチタイワークス33号に掲載中

3. 質疑応答

回答は上天草市森様
Q:上天草市で実装されている防災情報等のツールについて教えてください
A:基本的には他の自治体と同じ「県防災情報システム」を使っています。本市特有のものとしては、原課職員がノーコードの防災情報Webアプリを開発し、市民への防災情報の周知等に活用しております。

Q:災害時の要配慮者向けにデジタルを活用した取り組みがあればご教授下さい
A:特段、現在進行形で動いているものはないですが、今後の取り組みとして、要配慮者と高齢者向けに見守りサービスを構築し、自宅から簡単に生存確認ができ、避難状況を通報できるシステムを構築できないかと検討中です。

Q:機能構築はデジタル戦略課か原課か、どちらで行っていますか?
A:デジタル戦略課が機能開発に必要なサポートを行い、開発は原課で行っています。

Q:防災、減災のツールは利用されないと・・的な考え方が重要かと思います。利用状況などKPIを設定しているようなら教えてください。また、それを上げるための方策などがあれば教えてください。
A:利用者に使っていただけないと意味がないので、その点は課題として感じています。利用者状況は、デジ田交付金のKPIの中で令和5年度は100件利用を目指していて、そちらは達成しました。ただ活用自体はまだ進んでいないので、方策としてはアンケートでどういった機能や情報が欲しいのか聞き取りを行い、住民のニーズに応じた情報発信や機能開発を進めています。
あわせて、広報誌による広報活動や、スマホ教室の開催等で活用推進を図っています。

Q:人口の半分相当が友達追加しているとのことですが、実現できた要因は何でしょうか
A:広報部門と共に気をつけていることとしては、プッシュ型は便利な一方、自分に関係のない情報が来ると迷惑をかけてしまいますので、必要な情報のみ情報発信することを心がけています。
セグメント配信を行う他自治体も多いので、今後は当市でも機能開発を進めたいと考えています。

4. 「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressの営業担当執行役員仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は元自治体職員ですので、自治体職員目線で的確なアドバイスが可能です。ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。レゴブロックのように、自治体の規模や業務フローに応じて、様々な機能を自由に組み立て、実装することができます。

1.説明書がいらないIT
聞かれたことに答えるだけ。一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。電話や窓口と同じ形がチャットボットで実現できます。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
深夜や早朝でも連絡可能。LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信や給付金に伴う送金手続きも可能です。

3.LINE、Webで利用可能
LINEやスマートフォンをお持ちでない方も利用可能なように、Webブラウザ版もご用意しています。住民の誰一人も取りこぼすことのなく公平なサービスを提供可能です。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能です。自分達で開発できるプラットフォームですので、新規予算や仕様書作成なども不要です。
各自治体でオンライン化した手続きはこちらからご覧いただけます。

5.全国でシェア
2024年8月時点で270以上の自治体職員が利用・開発し、「スマホ市役所」は日々急速に広がっています。他の自治体が実装しているサービスはすべて利用可能。短期間、一律料金で追加費用なく新機能が利用できます。

▼セキュリティ
LINEヤフー株式会社の追加規約に同意することでLINEにデータを残さない仕組みをご用意しています。また、他のシステムをご利用中の場合でも共存可能な仕組みになっていますので、ぜひご相談ください。

また、自治体LINE公式アカウントを他事業者でご利用中の場合でも、共存が可能ですので、ご要望がありましたらぜひご相談ください。

▼防災に関するさまざまな機能

防災メールとの連携が可能
職員の配置計画を分析して行動に移すことが可能。あらかじめ所属課を登録することでセグメント配信も可能に
災害見舞金をLINEで申請し、全国のセブン銀行での受け取りが可能
窓口のLINE予約で混雑を避けることが可能。リマインダー通知もある
住民が先に避難所に来た時などに、職員より先に自動解錠を行うことができる

災害時に起こりうるリスクに対し、追加費用なしで事前に対策を立てることが可能となっています。

▼「スマホ市役所」機能別動画集
「スマホ市役所」のさまざまな機能をご紹介している動画集です。過去に開催したセミナーもこちらからご覧いただけます。
https://bot-express.notion.site/ba1b3407a7c14aae9ea14ab72db3ff4c

5. Bot Express登壇者


株式会社Bot Express シニアパートナーサクセスマネージャー 淺田 恵里
誰でも利用できる行政サービスを充実させ、住民の暮らしを豊かにしたいと思い、名古屋市役所へ入庁。区役所での窓口事務や、条例等を制定する本庁部署において区役所事務の円滑な運営を支援。2021年6月より現職。パートナー自治体職員と共にGovTech Expressをフルに活用して多くの機能や手続きの実装に取り組む。


株式会社Bot Express 執行役員 営業担当 仁志出彰子
23年勤めた前職の大津市役所では勤労福祉、情報システム、学校教育、保健予防、経営経理、経営戦略の業務に携わっていた。その経験を活かし、住民により便利な市役所サービスを提供するだけでなく、忙しい公務員を助けることができるBot Expressのサービスをたくさんの自治体に知ってほしいと思い営業として入社。


株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。

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