友だちに手続きを利用してもらうために<公開前・当日の周知施策編>
オンライン化した行政手続きを住民に使ってもらうため重要なポイントは、2つあると考えています。
1つ目は、手続き開始から完了までの「離脱ポイントを少なくする」という点。具体的な離脱ポイントは、手続きを行うときにしか使わない専用アプリのダウンロードを求めるとき、メールアドレスの入力を求めるとき、一度に表示される文字情報が多すぎて見づらい・見たくなくなるときなどです。
2つ目は、オンライン手続きの存在を「認知してもらう」という点。これはどの媒体で・どのように情報発信するかがポイントになりますが、今回はこの2つ目の部分について、すぐに取り組むことができる5つの周知施策を紹介します。
5つの周知施策
施策の準備期間も考慮して、手続きの住民公開日を設定しましょう!
解説
ポイント、目的、事例を紹介してきます。
1.利用手順などをスクリーンショット付きで説明した自治体HPを作成する(渋谷区、島原市)
▼ポイント
・HPに友だち追加の導線を入れる
・手続き完了までの挙動・手順をスクリーンショット付きで説明する
▼目的
手続完了までの挙動が分からないことで不安になり、離脱することを防ぐ
▼事例
👉渋谷区HP(助成金申請)
👉島原市HP(通報)
2.QRコードまたはキーワードなどを広報誌に掲載する(南島原市)
▼ポイント
手続き概要に加えてQRコードやキーワードなどを掲載する
▼目的
手続き開始までの住民側の工数を減らすことで離脱を防ぐ
▼事例
👉南島原市の広報誌
3.関連機関に手順を記載したチラシを設置する(五島市)
▼ポイント
・手続き完了までの挙動・手順をスクリーンショット付きで説明する
・住民がオフラインで立ち寄る施設に設置する
▼目的
まだ友だちになっていない住民、広報誌を読む習慣がない住民に認知してもらう
▼事例
👉五島市(面談予約・給付金申請、集団定期予防接種予約のチラシ)
4.フレックスメッセージを使ったメッセージを友だちへ周知する(波佐見町)
▼ポイント
・画像やイラストを盛り込む
・「申請する」のような行動喚起ボタンを配置する
▼目的
・友だちの注意を引くき、メッセージを読むきっかけをつくる
・ボタンタップで手続きがスタートすることで、手続き開始までの住民側の工数を減らし、離脱を防ぐ
▼事例
👉波佐見町(商品券の申請を周知するフレックスメッセージ)
5.自治体が運用するFacebookなどのSNSで投稿を行う(横須賀市)
▼ポイント
アンケートのURLやキーワード、リッチメニューのスクリーンショットを文面に入れる
▼目的
まだ友だちになっていない住民へ認知してもらう
▼事例
👉横須賀市(受信設定を促す投稿)
【参考】電話で問い合わせ・予約があったときにLINEから利用できることを伝えているか(串間市)
串間市で公開しているキャンプ場予約ですが、現在は全体の9割がLINEからの予約という結果がありますが、電話で問い合わせ・予約があったときにLINEから利用できることを伝え、極力LINEから予約をしてもらっているそうです。
実際にLINEから予約してみてその手軽さを体験することで、次回以降はLINEを活用してくれる可能性が高まります。その瞬間は電話で予約を受けてしまったほうが楽に見えますが、1件1件の電話対応を減らしていくために手間暇かけることは長い目で見たときに、確実に職員の業務負担軽減に大きく貢献します。
さいごに
オンライン手続きの目的は、公開そのものではなく、対象者に利用されることにあると考えています。手続きを認知してもらい、安心して使ってもらうためにも今回紹介した広報活動は重要な役割を果たします。
担当課、広報部署、DX部署がタッグを組んで、より使われる、より愛されるオンライン手続きを増やしていってください。
今回紹介したチラシ(五島市)やフレックスメッセージ(波佐見町)のテンプレートを希望される場合は、担当のパートナーサクセスマネージャーまでご連絡ください。
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