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【埼玉県行田市】住民に寄り添いながら業務効率化も実現。LINEを活用した「こども誰でも通園制度」
埼玉県行田市では、子どもの健全な育ちを応援するため、令和6年度より「こども誰でも通園制度」を試行的に導入しています。保護者の就労状況にかかわらず月10時間まで時間単位で柔軟に保育所等を利用できる制度で、全ての子どもに良質な育ちの環境を整備する国の事業です。行田市では、この取り組みのうち、利用登録と保育日の予約をLINEを利用し利便性と業務の効率化を図っています。
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1. 行田市の概要
人口:77,854人(2025年1月1日時点)(行田市HPより)
友だち登録者数:34,104人(2025年2月17日時点)
主な機能:各種証明書の申請、各種窓口・相談予約、健診予約、国民健康保険関係の申請、通報、水道関係手続き、避難所検索 等
LINE ID:@gyodacity
2. LINE拡張機能導入の経緯
行田市では、令和6年5月からLINEの拡張機能である「GovTech Express」を導入し、利用者がLINEを通じて簡単に申請や予約ができる仕組みを整えました。「GovTech Express」導入後、庁内でのシステム利用を検討した結果、「誰でもいつでも気軽に利用できる」というこども誰でも通園制度の趣旨に「GovTech Express」が適しているため、制度の一部をLINEを活用して運営することが決定されました。LINEを利用することにより、従来からもつLINEの親しみやすさと利便性を活かし、より多くの市民が気軽に制度を利用できる環境を提供することを目的としています。
3. こども誰でも通園制度の概要と目指すべき姿
「こども誰でも通園制度」は、行田市に住民登録のある0歳6か月から満3歳未満の未就園児が対象です。保護者は月10時間まで、無料で利用できます。利用者は事前登録後、面談を経て市内の保育所等での予約が可能です。行田市ではこの制度を通じて、子育て家庭がライフスタイルに関わらず安心して育児と仕事を両立できる環境づくりを目指しています。
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3-1 利用登録と面談
利用希望者は、市公式LINEから利用登録用アンケートにアクセスし、子どもの名前や基本情報を入力します。登録後、市役所にて面談を実施。面談では、子どもの身体的・精神的な発達状況やアレルギー情報など、安全で適切な保育を提供するための基盤となる情報を保護者より聞き取ります。あえてLINEによる申請ではなく対面で詳細な情報を確認します。
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面談が完了すると、職員がシステムで面談の完了登録や面談内容を入力し、その後利用者が保育施設の予約に進める有効な状態となります。
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3-2 予約受付と空き状況の確認
保護者は、希望する施設や利用日をLINE上で簡単に選択可能です。各施設の受け入れ可能人数や空き状況が事前にシステムに反映されており、保護者はリアルタイムで予約ができる日時を確認できます。現在は先着順での予約受付が行われており、予約が満員の場合には、予約が取れない旨LINE上に表示されます。
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3-3 処理状況に応じた個別メッセージの送信
職員は、登録内容や予約状況に応じて、個別のメッセージをLINEで保護者に送信できます。例えば、面談の準備が整った場合には、「面談の準備が整いました」という通知を送ることで、手続きをスムーズに進めるサポートを提供しています。
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4. 結果
保護者からの予約だけでなく予約取消依頼もLINEで対応でき、従来の予約方法だと必要であった電話対応の時間を削減できています。月180件の予約が電話ではなくLINEになり、電話対応時間の短縮につながりました。現在の制度対象者のうち約40%が登録をしています。
LINE活用にあたり、事前登録や面談をデジタルとアナログで分担することで、オンラインと対面の利点をうまく活用しています。しかし、市内全ての保育施設がLINEシステムを活用しているわけではなく、電話受付を続けている施設も存在することから今後の施設との調整が課題といえます。また、施設からの連絡をもって順次予約枠の公開をしているという運用面での課題も残されています。
5. 行田市職員の声
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5-1 子ども未来課職員
子育て世代は忙しく、電話に出られないことも多い状況です。LINEを活用することで、保護者は通知を確認するタイミングを自由に選べるため、利用しやすいと好評です。職員からは「メッセージで連絡を取ることで、言い漏れや伝え忘れがなくなり、より正確な情報を届けられる」という声が寄せられています。
5-2 情報政策課職員
今回の仕組みは、既に実用されている「一時保育預かり」のパッケージをもとに実装しております。思い立ったらすぐに改善できることがが本サービスの強みのひとつなので、利用者や所管課職員の声を聞きながら、更に使いやすく、管理しやすい手続きになるように改善していきたいと思います。
5月の開始以降、イベント申込等の一時的なものも含め、約40手続きを実装してきましたが、今後もBot Expressのパートナーサクセスマネージャーのサポートを受けながら更に研究を重ね、いつでもどこでも、誰でも気軽に手続きができるLINE上の行政窓口をどんどん拡充していきたいと考えています。
6. さいごに
自治体職員時代、子ども関係部署の住民とのコミニケーションで印象的だったのは、電話口の後ろで泣くお子さんをあやしながら話をする保護者の声でした。当時の保護者の声を思い出すと、行田市のように「いつでも、どこでも、気軽に申請や予約ができる」仕組みを取り入れることは、利用者にとっての利便性向上だけでなく、子育て世代の心に少しでも寄り添うことにつながるのではないかと考えさせられます。
さらに、こうした仕組みの導入は、住民サービスの向上を図るだけでなく、自治体職員自身の負担軽減にもつながります。電話対応に追われる時間が減ることで、本来注力すべき支援やサービスに向き合える余裕が生まれます。柔軟でカスタマイズ可能な「GovTech Express」は、住民に寄り添いながら業務効率化も実現する力強いパートナーです。
もし市民サービスの向上や業務効率化についてお困りのことがあれば、ぜひ私たちにご相談ください。追加費用なく、自治体のニーズにあった提案とフォローアップをしてまいります。
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