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初開催、オフライン交流会レポート。自治体によるライトニングトークの様子を紹介します
2025年1月24日、GovTech Expressを利用している自治体職員が東京都内に集まり、オフライン交流会を実施しました。この交流会には、30の自治体から51人の職員が参加し、地域の垣根を超えたノウハウのシェアや仲間づくりが行われました。本noteでは、ライトニングトークの内容やグループディスカッションで交わされた情報の一部をお届けします。
1. オフライン交流会概要
開催日:2025年1月24日(金)
場所:世田谷区民会館
参加人数:51人
参加自治体:和光市、柏市、白井市、香取市、江戸川区、大田区、渋谷区、世田谷区、目黒区、三鷹市、府中市、町田市、狛江市、羽村市、横須賀市、座間市、海老名市、富山市、入善町、富士吉田市、長野市、佐久市、御代田町、磐田市、蒲郡市、総社市、呉市、宇部市、愛媛県、古賀市
2. ライトニングトークレポート
交流会の前半では、6つの自治体によるライトニングトークが行われ、各自治体の取り組みや工夫などについてお話しいただきました。
1. 愛媛県デジタルシフト推進課 上石さん
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発表概要
脱炭素につながる行動変容を促すことを目的とした「デカボえひめプロジェクト」の一環として、愛媛県LINE公式アカウント上でポイントキャンペーンを実施。本キャンペーンは、脱炭素に繋がる「デカボアクション」を実施することでポイントが貯まり、貯めたポイントで景品抽選へ応募できるものであり、構築にあたってはGovTech Expressが用意しているアンケートのテンプレートを活用。
工夫
ポイントキャンペーンという性質から、ユーザーの継続率を高めていくことが重要であると考え、ポイント獲得時のユーザー体験を高めるため、以下2点の工夫を施した。
①生成AIを活用して、デカボアクションのイメージイラストを作成
各デカボアクションの刷り込みと意義・効果の理解を目的に、ポイント獲得時のメッセージ内に生成AIで作成したデカボアクションのイメージイラストを添付するとともに、当該アクションによるCO2削減量の情報も盛り込んだ。
②「差し込み項目」機能を活用して、現在の有効ポイント数を表示
「ポイントが貯まっている」感覚をユーザーに感じてもらうことを目的に、ポイント獲得時のメッセージ内に、現在の有効ポイント数を表示する仕組みを構築した。
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結果
本発表時点で1,200人以上のユーザーに利用され、「デカボアクション」によるポイント付与も31,000回を超えた。ポイント交換回数も400回を超えており、継続して利用されていることが伺える。
2. 千葉県白井市秘書課 中島さん
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発表概要
GovTech Expressの「適用」と「参照」いう機能の活用方法を紹介。「適用」はトーク上でユーザが回答しなくても指定した情報が自動挿入される方法。「参照」はすでに回答したデータを引用のように活用することで、特定の情報の回答をスキップできるようになり、ユーザビリティの向上につながる機能。
活用事例1 子供発達センター予約
児童の登録時に担当者が割り振られるが、療育の種類によって担当が異なり、かつ担当によって月内利用可能回数が異なっている。適用を使うことで、その児童がどの担当が割り振られており、どの担当者の空き枠カレンダーを表示すると良いか自動判定できるというもの。
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活用事例2 学校連絡
事前登録制の学校連絡を導入している。登録情報が変わる場合は、事前登録の情報を引用しトーク上に表示。引用の部分に適用を使っているが、利用者からすると、まず登録した児童名がトーク上に表示される。情報を変更したい児童名を選択すると、事前登録した情報が管理画面内のデータから引用されてトーク上に表示されるので、氏名など変更したい項目を選んだうえで変更後の情報を送信すると変更手続きは完了する。
3. 東京都府中市行政経営課 髙橋さん
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発表概要
2022年6月に運用が始まったLINE公式アカウントは、子育て施設の予約機能に特化していたが、現在はごみ機能の多言語化も構築中。DXの恩恵を感じている一方で、課題も感じており、好事例を支える職員のリアルな声を発表。
好事例
保育所内に併設されている地域子育て支援センターの保育士から相談を受け、子育てひろばの予約開始日に殺到する電話を解消することに。LINEを使ってみないか提案したところ、「パソコンとか得意じゃないんだけど」という回答があったが、担当課がサポートを行いオンライン化に着手。
予約受付を完全移行後、年間9,000件を超える予約の電話対応の件数が0件になり、職員の対応時間が大幅に削減された。また、市民は24時間いつでもどこでも予約ができることから利便性が向上したほか、手書きの予約台帳も不要になった。利用者アンケートも簡単に実施集計までできるようになったことも、現場では大きなメリットに。
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課題
保育士さんや現場の人たちの作業を増やさないように、DX担当課が手続きの構築を行なっているが、これらの業務が属人化してしまうという課題を日々感じている。この部分を今後どう継承していくかということが課題。
4. 富山県入善町財政課 樋口さん
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発表概要
入善町は、行政情報の発信力を強化したいという思いから、テキストベースの情報発信ではなく、フレックスメッセージという画像やイラストを挿入したデザイン性の高いメッセージを配信している。配信に使うフレックスメッセージは専用のツールの操作が必要なため、樋口さんは当該ツールがなくてもフレックスメッセージを作成する仕組みを考案。今回はその仕組みにたどり着くまでの分析過程も発表した。
考案した仕組み
まず、配信するフレックスメッセージのデザインをテンプレート化。配信時にはフレックスメッセージのコード(JSONコード)が必要になるが、入善町ではイベントごとに変わるイベント名や日時などの情報をエクセルに入力するだけで、JSONコードが書き換わる仕組みを考案。これにより、原課職員は差し替える情報をエクセルのセルに入力するだけでOKとなった。
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視点
業務担当にJSONコードの作成スキルを習得してもらうということも考えたが、一般的ではないスキルを逼迫した現場に導入することは避けたいと考え、まずエクセルに情報要素を入力し、提供してもらう方法を採用した。庁内でGovTech Expressの裾野を広げたいという目標にそっていて、この方法はLINE広報に関わる職員に小さな成功体験を積んでもらうという意義があると考えている。
5. 東京都世田谷区DX推進担当課 須田さん
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発表概要
世田谷区では、2025年度5月より障害者の燃料費助成の申請をオンライン化する予定。その申請で活用したGovTech Expressの領収書OCR機能とファイル一括ダウンロード機能について紹介。
手続き概要
この燃料費助成制度は障害があり、自動車やバイクを使用している区民が申請することで、ガソリン代などの一部を区が助成するというもの。年間4,000件ほどの申請が行われる。LINE申請とすることで、区民は申請から修正までのほぼ全ての作業をLINE上で完結することができるように。
工夫1
区側の事前準備として申請対象者のデータをインポートし、当該データをリアルアイムに申請内容と突合することで対象者ではない人が申請できない仕組みに。また、限度額を超えた申請をしている人を自動で判別し、受け付けないことも可能とした。
工夫2
トーク上で送信した領収書の写真はOCRでデータ化され、合計金額、数量などの情報が管理画面に保存される。データはほぼ間違いなく正確に読み取ることができるため、領収書と申請内容の照合作業の負担を削減。
工夫3
クラウド連携ツールを使い、15分に1回、指定のフォルダに連携されるよう設定。これまで全て紙で領収書やレシートを保管していたが、全て電子データで保管、一括でダウンロードできるようになった。
6. 長野県佐久市情報政策課 佐々木さん
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発表概要
佐久市では、管理画面のUIごとカスタマイズして、担当課がマニュアルがなくてもイベント予約手続きをオンライン化できるような環境づくりに取り組んでいる。
工夫
・ログイン後に表示されるタブはユーザに必要なものだけ表示
・データを見る画面はレポート機能か業務アプリケーションのみ
・データ作成も専用画面を用意し、マニュアルがなくても誘導される入力項目・遷移を意識
・以下の機能は、事前に必要な情報を専用画面で登録すれば自動化されており、1回の作業で設定が完結するように集約
・予約手続きでヒアリングしたい項目は共通設定にしており、イベントごとに必要な項目にチェックを入れるだけでLINEでの表示を制御
・イベントごとの予約者には、ボタンを押すだけで個別・一括メッセージ配信が可能
・イベント当日の受付は、イベントごとのQRコードを予約者のスマホで読み取るだけで、予約データとの認証・受付が完了
・アンケート情報(URLなど)を事前設定すると自動配信ログイン後に表示されるタブはユーザに必要なものだけ表示
結果
2年半運用しており、931のイベントで使われている。庁内全ての部署で使っているような感じになり、また、予約した人は延べ1万3,150人となっており、多くの市民に利用されている。
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3. 職員ディスカッション
交流会の後半では、関心のあるテーマごとにグループ分けを行い、それぞれのグループ内で、各自治体の取り組みや工夫、悩み事の共有が行われました。
グループ1:ノウハウの共有や、引き継ぎ準備の取組み・工夫
佐久市、江戸川区、富山市、蒲郡市、呉市、古賀市、横須賀市、富士吉田市
グループ2:機能構築にかかる各部署との業務分担や運用・調整の工夫
柏市、白井市、香取市、江戸川区、大田区、渋谷区、三鷹市、町田市
グループ3:機能構築にかかる各部署との業務分担や運用・調整の工夫
狛江市、羽村市、呉市、富士吉田市、長野市、宇部市、入善町、横須賀市
グループ4:メッセージ配信、各部署との業務分担や運用・調整の工夫
総社市、横須賀市、長野市、古賀市、狛江市、磐田市、御代田町、世田谷区
グループ5:メッセージ配信、各部署との業務分担や運用・調整の工夫
府中市、目黒区、羽村市、愛媛県、三鷹市、世田谷区、富士吉田市
グループ6:メッセージ配信、各部署との業務分担や運用・調整の工夫
横須賀市、世田谷区、富士吉田市、磐田市、愛媛県、大田区
グループ7:ノウハウの共有や、引き継ぎ準備の取組み・工夫
和光市、香取市、海老名市、目黒区、羽村市、座間市、府中市
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4. さいごに
行政DXを進める職員は、自治体によっては1人担当している場合もあります。正解も多くの前例もない分野を一人で突き進むのはとても不安だと思いますが、今回の交流会では同じ悩みや思いを持つ仲間を得た方は多いのではないでしょうか。
また、ネットには出回らないアイディアや知恵が惜しみなく共有され、参加していた私も「なるほど〜」と何度も思うくらい刺激のある交流会でした。
DXを進めるのは技術ではなく人なので、Bot Expressはこうした人たちを支える場所を今後も継続して作っていきたいと思います。
オンラインではエリアごとに交流会を実施しており、昨年11月に北海道エリア、今年1月に近畿エリア、2月には東北エリア、沖縄・離島エリア、北陸エリアで開催。
今月26日には東海・中央高地エリア、 28日には中国・四国エリアを対象に開催しますが、この取り組みは今後も継続していく予定です。興味のある自治体の方は、是非お問い合わせください!
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