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【長崎県五島市】職員負担軽減、申請手続きのデジタル化(セミナーレポート)

8月16日、「データの手入力をゼロに。職員負担を軽減した申請手続きのデジタル化」をテーマに、五島市DX推進担当工藤様とこども未来課担当久保様をお招きし「Bot Express Showcase 第17回」を開催しました。自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。


1.事例紹介

登壇者

五島市 総務企画部 未来創造課 DX推進班 工藤 正則 様
2023年度に未来創造課へ異動、特定健診等の予約、集団予防接種予約、子育て給付金申請の運用開始に携わり、以降も、五島市LINE公式アカウントの企画運用を担当している。 今後は様々なサービスをLINE上で提供できるようにし、DX推進の一助としていきたいと考えている。
五島市 福祉保健部 こども未来課 こども健康班 看護師 久保 琴恵 様
五島市こども未来課こども健康班看護師久保琴恵です。 普段は乳幼児健診の業務を行っており、LINE予約の業務は初めてで戸惑うことばかりですが、アドバイスをいただきながら準備を進めることができています。

▼五島市概要

人口:34,542人
20代の若者が少なく、60代、70代が多い極端な少子高齢化
高齢化比率は40.8%

▼五島市のDX推進
3つの基本方針があります。
・行政サービスにおける住民の利便性の向上
・効率的な行政運営
・デジタル化社会の実現のための環境整備
一つ目の方針について、市民の中には近くに役所の窓口がなく、遠方からバスや船を使って来庁する方がいます。そこで、スマホを活用したAIチャットボットによる行政相談やオンライン申請など、市民がいつでもどこでも行政サービスを利用しやすい環境を整え、住民の利便性向上のための施策を推進しています。

▼Bot Expressサービス利用の経緯

 
R2 5月に実証実験への利用申請をし、R2年11月から実装開始しました。
AIチャットボットは、24時間365日、閉庁時間でも市民からの問い合わせに自動で回答してくれるサービスです。
運用開始時期には新型コロナウイルス感染症の影響で、AIチャットボットの利用が加速し、実証実験中に友だち登録が1000人が増え、平均173件の利用がありました。このことから、本取組によって住民の利便性向上、庁内業務効率化に繋がったと考えています。

▼これまでの取り組み

▼これまでの取り組み 事業効果

LINEで処理した件数は全体の4分の1となり、削減効果額は、職員一人当たりの時間単価を3200円とした場合、令和3年度から令和5年度までで12,354千円の削減効果が得られています。

▼これまでの取り組み 公式アカウント友だち数


広報誌やチラシを同封するなどして友達登録数を増やしていきました。
友だち数が増加した要因としては2つの理由があると考えています。
1つ目は事業開始の際に市民への周知活動をしたことです。令和3年5月末には半年間で友達数が倍増しています。この頃に初めての事業としてコロナワクチン接種予約実施をしていて、受診券と共にLINEに関するお知らせを同封したことが考えられます。
2つ目は運用する事業を増やし続けていることです。令和3年5月末以降も友だち数が停滞せず増加しています。令和4年から事業の数を増やし続けていることが影響していると考えています。
このことから、五島市では今後も運用数を増やすことで友だち数も増やしていきたいと考えています。
また、受信設定を導入し、災害情報やイベント情報など、必要な情報のみをLINEで取得できるので、友だち数増加につながり、求めていない情報を送信しないことで、ブロックを防ぐ事にも繋がっていると考えています。

※続いて久保様よりLINEを導入した理由などをお伺いします

▼LINEを活用した理由と取り組み背景
子育て世代の連絡ツールがLINEであること、電話予約申請は時間帯が限られてしまうこと、職員の電話対応を減らしたいと考えたこと、が挙げられます。

▼取り組み内容
・母子手帳発行、妊娠後期面談、産後面談予約(R5.5.10開始)
・出産応援給付金、子育て応援給付金申請(R5.6.12開始)
・乳幼児相談予約(R5.7.7開始)

▼導入までの流れや運用の工夫
・令和4年度末より、オンラインやメールでの打ち合わせ
・令和5年度より給付金申請対象者のデータと金融機関に関してのデータ準備
・給付金申請のQRコード作成、給付金申請に関してのチラシ作成
・実施前にチェックシートに沿っての確認

▼得られた効果
・電話対応をする時間、件数が減っている
(面談予約する際1人あたり3~5分、月平均30名ほどの予約あるため、その分の電話対応が減っている)
・申請書を記入せずLINEで入力できるため、書くことが苦手な保護者でも申請しやすい
・平日、休日問わずLINEで申請することができる
・口座番号などの職員の入力作業の削減
★面談予約に関するメリット
・予約後も面談予約日をLINEのトーク画面から再確認できる
・電話予約と比べてLINE予約の方が面談予約候補日を確認しやすく、予約しやすい
・職員の事業日程に合わせて予約枠の調整がしやすい

▼産後面談予約のデモ

チェックボックスを設けてシステムに自動反映し、重複申請させない設定や、産後面談が未実施の方に予約を促すような仕組みを設けて、住民にスムーズな体験を提供しています。

▼給付金申請のデモ

▼フィードバックアンケート

9割以上が手続きに満足している

住民の方のフィードバックを受けて、手続きをブラッシュアップしています。
改善例としては、チラシに関する意見をいただき、間違えやすいところを分かりやすく表示するという改善をしました。
また、母子手帳番号の入力で気をつけるべき点を赤字にするといった改善も行いました。

私たちのサービスは、スピード感を持って手続きをブラッシュアップしていけるのが大きな特徴の一つだと思います。
手続きを作成した後、住民の方々と一緒により良い手続きを作っていけたらと思います。パートナーサクセスマネージャーとしてもこうした改善にも寄り添っていけたらと思います。

2. 質疑応答

Q:五島市のLINE機能のスケジュール。職員の理解の深め方
A(中原):自治体によって進め方は異なりますが、まずキックオフMTGを設定します。実現したいことのヒアリングやGovTech Expressでできることをディスカッションし、内容を整理していくのが第一歩です。
大体1ヶ月半程度見ていただくと良いと思います。

(工藤様)Boot Campやマニュアルを見ながら作成しますが、テスト環境で一度確認してから本番に反映させるようにします。

Q:電話受付もしていますか?
A(久保様):病院の検診が終わった後にそのまま母子手帳を受け取りたいという方は電話で予約されます。LINE予約が2日前までの予約なので、電話では面談予約が空いていれば受付をして来ていただく形もあります。
電話予約の方は、面談が終わった後に基本情報をデータ入力しています。

Q:高齢者向けのLINE展開方法は?
A(工藤様):高齢者のみの展開方法はしていないです。高齢者が対象となる事業があれば、対象者に向けて通知することはあると思います。
A(松尾):高齢者へのLINE展開は、次回8月31日のShowcaseセミナーでご紹介させていただきます。

Q:給付金の給付方法は口座振替のみか?
A(仁志出):振込は様々な給付方法をご用意しています。セブン銀行ATM、LINE pay、Amazonギフトコード(商品の制限をつけることが可能)、QUOカードpayなどを送付できます。

Q:オンラインで申請・予約した情報を、規定の申請書などに帳票発行できるのか?
A(仁志出):前提として、DX推進のため紙の出力は避けることができるのではと思います。当社で行える部分としては、申請書を決裁に回すのではなく、管理画面上で決裁を回すこともできますし、どうしても書面を発行する必要がある場合はCSVで出力することが可能です。
ただ、当社としては、「書面で出力する」という規定を変えることで、DXが促進されるのでは?とおすすめしています。

Q:他社のLINE拡張ツールを使ってきたが、行政手続きができるように変えていきたいという要望に応えられるか。共存できるのか?
A(仁志出):LINEを情報発信ツールとして使われていた自治体が多いので、他の事業者が入っていることも多いと思いますが、これまで共存できなかった事例はありません。
他社との共存や切り替えの実績もありますので、別途ご相談ください。

Q:出産者向けに保護者がLINEで申請をする流れができているのか?
A(久保様):五島市は産婦人科が2箇所しかないので、病院にチラシを配付することで周知ができています。これまでLINEを一度も利用していなかった方も、LINEで面談予約ができている状況です。

3. 「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressの営業担当仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は前職の大津市役所で当社サービスを活用しており、利用者としての経験も豊富です。また、契約後に伴走する弊社パートナーサクセスマネージャーも元自治体職員ですので、自治体職員目線で的確なアドバイスが可能です。ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。施設予約、通報、各種申請など、様々な機能をレゴのパーツのように自由に組み立て、実装することができます。

1.説明書がいらないIT
聞かれたことに答えるだけ。一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
深夜や早朝でも連絡可能。LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信や給付金に伴う送金手続きも可能です。

3.LINE、Webで利用可能
住民の誰一人も取りこぼすことのなく公平なサービスを提供可能です。Webフォームは大幅にバージョンアップして公開予定です。先日のセミナーでご紹介したデモがありますので、ぜひご覧ください。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能で、専用アプリのダウンロードは必要ありません。マイナンバーカードを利用した手続きがLINEで完結できます。
各自治体でオンライン化した手続きはこちらからご覧いただけます。

5.全国でシェア
180以上の自治体が利用し、「スマホ市役所」は日々急速に広がっています。他の自治体が実装しているサービスはすべて利用可能。短期間、一律料金で追加費用なく新機能が利用できます。

▼竹富町のご紹介・・充実した観光メニュー(free wifiを探す、公衆トイレを探す等の機能)

▼友達を増やす虎の巻
自治体のLINE公式アカウントで友だち追加に繋がった事例をまとめた「友だちを増やす虎の巻」を公開しています。

その他、事例ブックやケーススタディ集、フレックスメッセージ集もご用意していますので、HPお問合せフォーム又はBot Express LINE公式アカウントよりご連絡ください。

4. Bot Express登壇者

株式会社Bot Express パートナーサクセスマネージャー 中原 郁美
性別や年代などを問わず、多くの方たちに寄り添ったサービスを作りたく、自治体やクラウドファンディングサービスの業務に従事。住民の満足度を追求しつつ、自治体の挑戦を応援できるところに惹かれ、2022年5月から現職。感覚的に使える便利なサービスを広め、より身近な行政サービスの実現を目指す。
株式会社Bot Express 執行役員 営業担当 仁志出彰子
23年勤めた前職の大津市役所では勤労福祉、情報システム、学校教育、保健予防、経営経理、経営戦略の業務に携わっていた。その経験を活かし、住民により便利な市役所サービスを提供するだけでなく、忙しい公務員を助けることができるBot Expressのサービスをたくさんの自治体に知ってほしいと思い営業として入社。
株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。
登壇者集合写真

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