選挙事務のデジタル化をLINEで実現。追加費用なしで、職員専用ツールを構築し公務員のめんどくさいをなくす。
2024年9月27日、石破茂新総裁が選出されました。その後、10月9日に衆議院を解散、27日に衆議院議員選挙の投開票を行うことが発表されています。
全国の区市町村職員の皆さんを始め多くの関係者が、このスケジュールに間に合うように準備を始めるところだと思います。
選挙に関する事務をデジタル化することで、職員の負担を軽減することはもちろんなのですが、GovTech Expressはオプション費用なしで機能を実装することができるので、補正予算等を行うことなく、また他自治体の手続きを横展開することが可能なため、機動性高いシステムとなっています。
1. 不在者投票オンライン申請をLINEで。
住民登録がある市町村以外に滞在している方や病院に入院または市外の老人ホームに入居している人などが、選挙管理委員会に投票用紙等の交付をLINEで請求し、滞在地で投票をすることができます。
一問一答の対話型なので「聞かれたことに答えるだけ」通常の電子申請サービスよりもわかりやすいUIになっています。
もちろん、マイナンバーカードをもっていれば、本人確認や基本情報(氏名・生年月日・性別・住所)は入力させずに取得することが可能です。今回の選挙では広島県江田島市が実装しています。
届出に不備があった場合は、LINEで双方向コミュニケーションを行うことが可能です。これも、これまでの電子申請サービスとは違うところ。住民は時間があるときに回答することができ、職員も電話を何度もかけ直す時間がなくなり、お互いに時間を有効に使うことが出来ます。
詳しくはこちら福岡県うきは市の事例noteをご覧ください。
2. 投票人数の報告・連絡・集計ツールに使おう。
山口県長門市では、長野県佐久市が行っていた選挙事務の職員専用手続きをコピーしてバージョンアップしたことで、報告集計作業を98%削減し、会計年度職員の配置を2人から0人に削減した実績があります。また、投票人数の報告は報告時間が決まっており、一斉に電話をかけることとなり、繋がらないストレスからも解放されました。
LINEを使った手続きは住民と自治体だけではありません。このように、住民の方に見えない部分で職員のみで活用することも可能です。
架電による連絡を不要に
不通による再架電等の待ち時間及び手間を削減しました。手入力を不要に
聞き取った内容を入力する作業を削減しました。経由地点を不要に
各投票所から選管本部への直接報告が可能になりました。読み合わせチェックを不要に
計7回の投票状況報告の集計を自動化することで確認作業を削減しました。
詳しくは、山口県長門市の事例noteをご覧ください。
3. 立会人などの報酬明細の郵送コストをゼロに。
投開票事務従事者や立会人など、選挙事務に携わる人には報酬が出ます。口座振込日などを記載した明細を郵送する作業があると思いますが、LINE上に明細を送付することが可能なので、印刷や封入作業も郵送コストもゼロにできます。郵送料の値上げも気にすることはありません。
郵送が必要な職員への発送作業に手間と時間がかかっていた鞍手町。LINEでの給与明細配信機能を使うことで業務改善を行っています。詳しくは福岡県鞍手町の事例noteをご覧ください。
ちなみに、口座振込という作業さえも省く、「デジタル送金」という方法もGovTech Expressは実装済みです。出産子育て応援交付金や調整給付金で実績が増えています。
4. 特定の人にメッセージを自動配信
投票人数の報告はこれまでも電子申請サービスを使って行っている自治体があると思います。GovTech Expressの強みはLINEによるメッセージ配信です。特定の人に送ることや、何時に自動配信すること、条件に一致した人に送るなど、様々なメッセージ配信により、職員の作業を細かくデジタル化することが可能です。
前日準備をする方のみに、注意事項等をメッセージ配信。
報告時間に速報係(投票所から報告する担当者)に報告を促すメッセージを自動配信。
特定の時間までに報告がなかった速報係にのみ、アラートを自動配信。
5. その他
GovTech Expressは私達が構築委託を承って行うものではなく、職員の皆さんで構築することができるノーコードツールです。アイデアや発想しだいでどのようにでも実装が可能。また、他自治体の手続きを横展開して利用することも可能です。
例えば上記以外の構築の他に、このようなこともできるのではないでしょうか。
投開票事務従事者や立会人が足りないときの募集や申込み手続き
募集が多かった場合は抽選機能を利用することも可能です。投開票事務従事者や立会人の口座振込情報の手続き
振込エラーが起きたときは、通帳の口座番号を写真にとって送るなど、申請の不備も双方向コミュニケーションで可能です。投票を行う施設の施設予約やスマートロック連携
朝早くに鍵を管理している方が対応する必要はありません。投票管理者説明会の参加チェックイン
各種担当者向けの説明会で、参加したかどうかを紙受付で管理するのではなく、QRコードで自動チェックインさせることで、不参加の担当者を即座に抽出できます。
6. さいごに
今回の選挙では、この記事で紹介した福岡県うきは市、長野県佐久市、山口県長門市を含む14自治体が選挙に関する手続きを実装しています。7月に行われた選挙DXのShowcase後に手続きを横展開し増えていると思われます。GovTech Expressは一律料金ですべての機能を利用することができるサブスク型。また、他自治体の手続きを横展開(コピー)して活用することが出来ます。このような何年に一回あるかどうかわからないもの、起こるかどうかわからない災害対応機能などを実装し備えておくことが可能です。
また、選挙事務に従事したことがある当社のメンバーは12人。社員の半分以上が元自治体職員なことから、こんな機能が便利なのではと自分自身の体験談を交え社内ミーティングで盛り上がる事が多くあります。
あの時めんどくさいと思っていたことをデジタル化することで、いま忙しく働く公務員の皆さんを助けたいという想いをもって、日々活動しています。
住民だけでなく、公務員の皆さんも楽になる便利なツールをこれからもご提供いたします。
【参考資料】
職員の管理画面を動画でご覧いただけます。
動画で各機能を確認したい方はこちらをご覧ください。