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自治体公式LINEで一人暮らしの高齢者を見守る「安否確認機能」をリリースしました

就職や結婚で生まれ育った場所を離れて生活する方は多いと思いますが、皆さんはどのくらいの頻度で離れて暮らす親と連絡を取っていますか?

内閣府のデータによると、令和2年(年)には65歳以上の人口のうち、単身で生活する方は男性15%、女性22.1%となっており、例年増加する傾向にあるそうです(内閣府作成 令和6年高齢社会白書より)。

すぐに顔を出せる距離では生活できないけど安否は把握したい。でも、毎日「元気?」と安否確認のためだけの連絡を送るのは面倒。そんなご家族の悩みに寄り添う仕組みが、自治体の公式LINEアカウントから利用できます。


1. 概要

この機能は自治体のLINE公式アカウントを経由して地域の高齢者が安否報告を行えるだけではなく、一定期間、高齢者から安否報告がない場合に市内外にいるご家族にアラートメッセージを送信するというものです。

仕組みですが、まず、自治体の公式LINEアカウントから高齢者に対して、毎日自動で安否確認のメッセージを配信し、高齢者は受け取ったメッセージについたボタンをタップすることで安否報告を行います。

安否報告がされた日時は管理画面に記録されますが、この時に記録される日付と本日の日付を比較し、もしN日以上回答がない場合に、事前に家族登録を行なったスマホ端末に対しメッセージを送ります。

なお、何日報告がない時にアラートメッセージを送るかについては自治体でカスタマイズが可能です。

2. 利用者が行うこと

この仕組みはLINEアプリがあれば、追加のアプリのダウンロードは不要です。また、通信料以外に利用者(高齢者やそのご家族)が負担する費用はありません。

安否確認の対象者側(高齢者)

1)対象者登録
自治体の公式LINEを友だち追加し、自身の生年月日などの情報を入力し、対象者登録を行います。登録が完了すると、一意の登録番号が自動で送信されるので、その番号をご家族に共有します。

登録時の質問は自治体で自由に組み合わせることが可能なほか、対象者の情報を自治体職員が一覧で確認することもできます。

登録内容をトーク上に残さないようにすることも可能

2)安否報告
毎朝8時に送信されるメッセージについているボタンをタップするだでOK。配信時間は自治体で設定が可能です。

見守る家族側

1)家族登録
自治体の公式LINEを友だち追加し、家族登録を行います。この時、安否確認の対象者(高齢者)に対して発行された一意の登録番号を入力し、家族としての紐付けを行います。なお、デモンストレーションでは「登録番号」を送信した後に「生年月日」を送信し、これらの2つの情報が一致しないと家族登録を完了できない仕組みにしています。

2人以上の対象者の家族登録もできるほか、この家族登録はいつでもトーク上から削除することが可能です。

2)アラートメッセージの確認
対象者がN日以上回答がない場合、下記(一番左)のメッセージが配信されます。「確認する」ボタンをタップすると安否報告をしていない対象者の登録番号をトーク上で確認することができます。

対象者登録の時に氏名をヒアリングしている場合は、登録番号の代わりに対象者の氏名を表示することも可能です。

選択ボタンをタップするとフォームが立ち上がり状況を確認できます。

3. さいごに

「連絡先を知っているし、家族であればいつでも連絡を取れる。」

ある自治体から今回の機能の相談を受けるまで、私はそんなふうに考えていました。しかし、毎日連絡を取らない家族が「元気でいるのか」どうかは、確認できるまではどちらの可能性もあり、自治体の課題は決して他人事ではないと思うようになりました。

進学や就職などのライフイベントで、親を残して地元を離れざるを得ない方も多いと思いますが、高齢の単身世帯が増えることが見込まれる社会で、定期的に安否を確認できる仕組みは今後より重要になっていくでしょう。

LINEであれば、PUSH配信できるので高齢者もご家族も見落としにくいほか、ご家族にとってもより少ないコストで利用できるというメリットもあるので、市民選択肢の1つとして是非多くの自治体で利用いただきたいと思います。

今回の仕組みは個別開発不要で利用いただけるだけではなく、安否報告がない対象者がいた時に関係部署の職員にも通知を送るなど、自治体ごとに異なる運用に合わせることもできます。

GovTech Expressであれば既存の手続きをオンライン化するだけではなく、職員のアイディアとサービスの機能を掛け合わせて、新しい行政サービスを創造することも可能です。「こんなことができたらいいのに」というアイディアをお持ちの職員がいれば、是非、担当のパートナーサクセスマネージャーまでご相談ください。

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