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【富山県滑川市】アプリ開発不要。健康ポイント事業(セミナーレポート)

8月31日、「アプリ開発は不要。LINEを使った健康ポイント事業」をテーマに、富山県滑川市DX推進課松井様をお招きし「Bot Express Showcase 第18回」を開催しました。自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。


1.事例紹介

登壇者

富山県滑川市 総務部 DX推進課 主任 松井 賢人様
民間企業から転職し、滑川市役所へ入庁。市民課、福祉介護課を経験後、2022年4月より市の広報担当となる。市広報誌の作成やイメージアップ施策などに関する業務のほか、SNSによる情報発信・行政サービスの提供に取り組む。市民などの利用者目線を意識したLINE公式アカウントの運用を心がけている。

▼デジタル戦略の推移
令和3年まではデジタル優先度が低く、LINEアカウント開設も遅く、友だち登録に苦戦していました。
コンビニ交付は今年3月からスタートし、出勤簿への押印も今年3月まで行っているような状況でした。
令和4年度からDXが進み、マイナンバーカードとスマホ⼀つで、様々な申請や⼿続きが完結できる環境整備を推進することが目標に掲げられ、DX推進のための各種取り組みに着手しているところです。

▼滑川市が推進するDX

住民の利便性向上と職員の事務負担軽減にもLINEが貢献

▼なめりかわ健康ポイント事業
平成28年度から開始し、市民の健康増進を⽬的としたものです。
今年度は7月1日から12月28日まで実施し、生涯スポーツ課が担当しています。

▼LINE活用のきっかけ
福祉関係の部署から「デジタルを使って幅広く発信できないか」という相談があり、健康ポイントもデジタル化すれば、若年層の利用、高齢者のデジタル推進につながるのではと考えていました。
当初は専用アプリを考えていましたが、当市のように小規模な自治体では費用が高額でしたし、予算と他サービスの乱立を考慮して導入しかねていました。
そんな時、デジ田交付金を活用して導入検討していたGovTech Expressで、LINEを使って導入することが可能と分かり、LINEを活用することを決定しました。

▼健康ポイント事業の課題

面倒で取り組みにくいということが参加者が少ない原因の一つとして考えられる
若年層にアプローチできていないことを課題と感じていた

▼健康ポイント事業にLINEを活⽤する利点
LINEを健康ポイントに活用したことで、紙の管理が不要で、LINEの中でポイントを貯めたり、応募がそのままできるので、気軽に参加できるようになったと思います。
職員側も広報活動しやすくなり、集計等の事務負担が軽減される見込みです。昨年度だと、1200件応募があったので、その情報やアンケート結果の入力集計にかなり時間がかかっていました。今年度からはLINE応募を活用するので集計・入力作業などの業務は大幅に軽減されると思っています。

▼LINEでのポイント管理に併せて実施したこと

50ポイント達成したらLINEクーポンを発行するという民間フィットネスジムとの連携事業を開始
今後もクーポンの対象となる協力事業者を増やすことを検討

▼⾼齢者へのLINE利用促進

健康ポイントの利用者はこれまで高齢層が多かったので、この取り組みによって、高齢者の方にLINEを使ってもらうきっかけになったのではと思います。

スマホ教室の講座内容としては、市公式アカウントへの友だち登録を内容に取り入れ、参加者にとっては登録をサポート、市としては友だち登録増、とどちらにもメリットがあり、参加者にも大変喜ばれています。

▼今後の展開

さらにサービスを増やし、職員の事務効率化など市役所DXにも取り組みます。LINEを⼊⼝としたチャット相談・シナリオによるQA対応など、より使い勝⼿の良いサービスを展開したいと考えています。

▼滑川市健康ポイントのデモンストレーション

参考:管理画面

2. 質疑応答

Q:ポイント付与全般に関して、事務フローはどのようなものでしょうか。
A:ポイント付与は事後申告、自身で取り組み内容を選択いただく形で、紙の時から変わりません。
健康指導の改善という項目は、保健師指導の中で改善したと判断した場合は、QRコードの読み取りによりポイントを加算する仕組みになっています。

Q:健康ポイントのほか、ボランティアポイントや特定の市民へのポイント還元などを想定している。システム操作について説明してほしい。
A:他の自治体でさまざまなポイント事業を行っています。例えば西東京市では、環境ポイントを実施して、環境に配慮した取り組みを行うとポイントが加算されます。

Q:ポイントを貯めるとき、不正ポイントの取得はどうされていますか?
A:(滑川市)もともと事後申告なので、こちらで制御することはしていません。
(Bot Express淺田)何度も同じポイントを貯めないようにするために、一人1回、1日1回といった細かい制御をかけることもシステム上は可能です。
また、住民しか登録できないようにすることも可能です。

Q:スマホ教室の運営主体はどちらですが?
A:(滑川市)複数あり、1つは文科省事業の国民デジタルリテラシー向上事業というもので、文科省の補助を受けて運営しています。もう一つは総務省事業で、デジタル活用支援推進事業を活用していて、民間企業が実施主体となり、市は連携協力する形をとっています。

Q:ポイント事業の財源は?
A:(滑川市)景品は市の一般財源です。ポイント事業への補助はないですが、国民健康保険の方でこのような事業に取り組むことでインセンティブ付与されるようになっていて、国保の方で加算されていることがあります。

Q:職員の工数観点から実装が難しい。紙とデジタル別々で集計するイメージがあるが、滑川市ではどのように進められたか?
A:(滑川市)ご指摘の通り、LINE管理を始めても併用での運用なので、工数が増えるのはやむを得ないです。
ただ、アンケートや申請内容など手入力部分が膨大だったので、それだけでも工数削減できると思っています。
併用により若干手間になることもありますが、徐々にスマホ教室などで高齢者にもLINEの利用を促しているので、今後はデジタルにシフトしていけるかなと思います。

Q:街のさまざまな取り組みに参加した方へのポイント付与は可能か?
A:(Bot Express淺田)どんな種類のポイントにも使えるので、街の共通ポイントとして、予約や通報を使ったら⚪︎ポイント付与など、街の共通ポイントとして運用することも可能です。

Q:数日まとめて登録できるか、設定の自由度は?
A:(Bot Express淺田)毎日1日1回まで、という制御もできますし、過ぎた分についてポイントを貯める方法もあります。
毎日貯めるポイントは、毎日ポイントを貯めるようにしていますが、参加者に特定の時間になったらリマインドメッセージを送り、そのメッセージ経由でポイントを貯めるように設定することもできます。

Q:1回限りのポイント付与、上限設定などできるか?
A:(Bot Express淺田)ポイント付与の上限は設定可能です。設定しなければ上限がないので、いくらでも貯めることができます。

Q:避難所チェックインについて、チェックアウトもQRコードで実施できますか?家族の場合は一人ずつチェックインする必要がありますか?
A:(Bot Express井上)チェックイン、チェックアウトそれぞれ作成する必要はなく、一つのQRコードで結構です。
複数名で避難する場合、基本的には一人一つのQRコードができるので、それぞれで出していただく形になります。

3. 「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介

Bot Expressのパートナーサクセスマネージャー井上より、GovTech Expressについてご紹介しました。井上の前職は京都市役所、元自治体職員ですので、自治体職員目線で的確なアドバイスが可能です。ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。

▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。施設予約、通報、各種申請など、様々な機能をレゴのパーツのように自由に組み立て、実装することができます。

1.説明書がいらないIT
聞かれたことに答えるだけ。一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。

2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
深夜や早朝でも連絡可能。LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信や給付金に伴う送金手続きも可能です。

3.LINE、Webで利用可能
住民の誰一人も取りこぼすことのなく公平なサービスを提供可能です。Webフォームは大幅にバージョンアップして公開予定です。先日のセミナーでご紹介したデモがありますので、ぜひご覧ください。

4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能で、専用アプリのダウンロードは必要ありません。マイナンバーカードを利用した手続きがLINEで完結できます。
各自治体でオンライン化した手続きはこちらからご覧いただけます。

5.全国でシェア
180以上の自治体のスーパースター(自治体職員)が利用・開発し、「スマホ市役所」は日々急速に広がっています。他の自治体が実装しているサービスはすべて利用可能。短期間、一律料金で追加費用なく新機能が利用できます。

▼友達を増やす虎の巻
自治体のLINE公式アカウントで友だち追加に繋がった事例をまとめた「友だちを増やす虎の巻」を公開しています。

その他、事例ブックやケーススタディ集、フレックスメッセージ集もご用意していますので、HPお問合せフォーム又はBot Express LINE公式アカウントよりご連絡ください。

▼鹿児島県さつま町避難所チェックイン機能の紹介
避難所受付が10秒で完了するQRコードチェックイン機能を紹介します。

4. Bot Express登壇者


株式会社Bot Express パートナーサクセスマネージャー 淺田 恵里
誰でも利用できる行政サービスを充実させ、住民の暮らしを豊かにしたいと思い、名古屋市役所へ入庁。区役所での窓口事務や、条例等を制定する本庁部署において区役所事務の円滑な運営を支援。2021年6月より現職。パートナー自治体職員と共にGovTech Expressをフルに活用して多くの機能や手続きの実装に取り組む
株式会社Bot Express パートナーサクセスマネージャー 井上 遼
新卒で京都市役所に入社後、地域防災・保健福祉分野を経験し、2023年7月から現職。 前職時から業務を効率化することに関心があり、自治体の「当たり前」を変えることができるBot Expressのサービスに強い衝撃を受け、入社を決意。住民と自治体の双方が便利になるよう全力を尽くしたい。趣味は筋トレとハンドボール。
株式会社Bot Express 執行役員 PR・コーポレート担当 松尾 明美
Dell、LINEの親会社NAVER海外拠点を経て、前職はLINE国内第二拠点LINE Fukuokaにて、広報・採用組織を統括。企業広報・危機管理広報・PRマーケ、採用など担当。2022年2月より現職。テクノロジーを活用した最高の住民サービスを提供し、日本の暮らしにもっと自由な時間を創ること、楽しくすることを目指している。



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