見出し画像

「福岡県内で拡がるスマホ市役所、知っていますか?」スマホ市役所Magazine vol.2を発行しました

「スマホ市役所 Magazine vol.2」が完成しました。vol.1 では函館市を特集しましたが、今回は福岡県編。古賀市(子育てDX)苅田町(防災DX)の2自治体を取材し、DX担当課や関係部署、住民の皆さまにお話を伺いました。福岡県内や全国の自治体事例を含む、全20ページの内容となっています。本noteでは、その一部をご紹介します。

※本誌は自治体向けに配付しています。配付希望の方は、Bot Expressまでお問い合わせください。 https://www.bot-express.com/contact/


1. コンテンツ

特集1の古賀市では「子育て支援DX」、特集2の苅田町は「防災DX」です。特集3では、福岡県内や全国の導入自治体の12事例、さらに2024年8月に古賀市役所で開催された「九州導入自治体交流会」の様子などを掲載。各自治体の取り組みや成果を具体的に紹介し、現場のリアルな声をお届けします。

スマホ市役所Magazine vol.2 コンテンツ

2. 特集1:古賀市×子育て支援DX

Key Message
徹底した、利用者目線の構築で実現。
住民利用率90%以上の「行かない・書かない・待たない」役所窓口

古賀市概要
2023年1月にLINEを開設、そのタイミングでGovTech Expressを導入しています。LINEを活用した手続きの利用率では、離乳食教室は100%、ブックスタート事業は95%とほとんどの住民が、古賀市スマホ市役所から手続きを行っています。LINEの機能を拡充することで友だち数も増加し、現在では人口の25%相当の、1.3万人が登録しています。

Key Person Interview 古賀市 経営戦略課 横山さん

古賀市でDX企画・推進を担当する横山さんに、導入の背景や機能公開までの流れ、利点、そして今後の目標について伺いました。

古賀市 経営戦略課 横山さん

質問:
スマホ市役所で感じる利点は?

経営戦略課 横山さん回答:
導入後早い段階で、リーパスカレッジという生涯学習のための100近い講座に関する申込業務を実装しました。それまでは申込受付後の確認を電話やメールで行っていましたが、スムーズにいかず職員の負担となっていました。

古賀市で採用しているデジタルツールは様々ありますが、その中でGovTech Expressの強みは、申請後の市と利用者との双方向のやり取りが容易であることです。LINEでの申し込みに一本化し、申込者への連絡がLINEででき、返事もすぐくるということで、かなり負担が減ったと担当者も喜んでいます。講座自体の認知度も上がり、申込者数が増えるという効果もありました。

一度LINEなどのオンライン申請で申し込みを受け付けた市の担当者は、利便性が高く負担軽減につながることを実感し、次回以降もLINE申請を選択します。そうやって手続きがどんどん増えていっています。

Key Person's BOSS 古賀市 経営戦略 星野課長

古賀市のDX構想を描き、横山さん・チームのDX推進を支える経営戦略課の星野課長にも、取り組みにかける意気込みを伺いました。

古賀市 経営戦略課長 星野さん

全国でも類を見ない「窓口の90分短縮」を実現できたのはGovTech Expressがあったからです。住民手続きの多くがデジタル上で行われることは、職員の業務効率化につながります。

役所にきている市民の方がいたら「なぜ来ないといけなかったのだろうか」という視点で見ています。可能な限りデジタル上でお手続きいただく。これによって、利便性向上はもちろんのこと、あらたな付加価値を生み出すために職員に余力を作っていきたいと考えています。

住民&担当課の「本音」

古賀市では、1歳誕生広場や離乳食教室の予約をLINEで受け付けています。電話や窓口などの予約方法もありますが、9割がLINE経由。LINEを活用し予約を行った住民(一児の母である森田さん)と、子ども家庭センターの担当者(田中さん)にインタビューを行いました。

古賀市民 一児の母である森田さん
古賀市 子ども家庭センター 田中さん

質問:
LINEでできる行政手続き、実際に利用してみていかがでしょうか?

住民森田さん回答:
子どもが5 ヶ月のため、急に体調が悪くなったりします。急な予定変更でもスマホひとつですぐにキャンセルできたり、日程の変更ができたり、すごく便利です。古賀市のLINEを登録したタイミングは、妊娠中や産後はボーッとしていて記憶が鮮明ではないんですが、ある日、LINEから「すこやか教室」の案内が届いて、そのまま予約したのが使い始めたきっかけです。離乳食教室もブックスタートもLINEから申し込みしました。

質問:
デジタル化してみての所感は?

子ども家庭センター 田中さん回答:
Bot Expressのパートナーサクセスマネージャーからの提案でスタートしましたが、住民の方が便利になった点以外に、職員の業務負担が軽減されたことも大きな利点だと感じています。
これまでは、月30件ほどの電話での予約対応がありました。電話の中でお名前などヒアリングしますが、聞き間違いなどあり、住民・職員双方に負荷が高い状態でした。現状では90%以上の方がLINE経由で予約をしてくれるので、電話対応がほとんど解消されました。

古賀市で経営戦略課と共にDXを進めるデジタル推進課の皆さま

3. 特集2:苅田町×防災DX

Key Message
いつでも、どこからでも、行政サービスが受けられる。
一番頼りになるツールを目指す、苅田町スマホ役場

苅田町概要
2023年12月、デジ田交付金の活用およびスタートアップ企業加点措置を受けられるサービスとして、GovTech Express導入を検討。2024年4月、全庁にサービス内容の周知や意見を集約。ごみの分別検索や防災・子育て情報の充実を図り、サービス案を検討。2024年6月、GovTech Express契約。マニュアルを元に構築準備開始。現在では、幼稚園・保育園検索や、公園の通報、学校給食の献立情報配信、職員安否確認・参集報告や、デジタル避難訓練など広域にデジタル実装。

Key Person Interview 苅田町 デジタル推進室 白川さん

苅田町でDX企画・推進を担当する白川さんに、導入の背景や機能公開までの流れ、利点、そして今後の目標について伺いました。

苅田町 デジタル推進室 白川さん

質問:
取り組んでみての所感は?

デジタル推進室 白川さん回答:
私自身はSE経験者でも情報システム担当経験もない、超アナログ人間です。そんな私がサービスを構築できるのか不安はあったのですが、

・充実したサービス実装マニュアル
・毎月開催のサービス実装のセミナー
・パートナーサクセスマネージャーとの定期的な打ち合わせ、

課題の共有、解決策の提供など支援体制が充実しており、短期間で多くの手続きをデジタル化することができました。LINE上で実際にサービスが動いているのを見て、あの時相談を受けた課題はGovTech Expressで解決できるかも?あの業務はGovTech Expressで効率化できそうかも?と思うようになりました。本当に困ったときは、いつでも相談できるパートナーサクセスマネージャーの方がいて、実装に困ったことはありません。GovTech Expressはまさに「DXツール」です。

デジタルツールありきでサービスを導入するのではなく、原課からあがってきた課題に対して、何が問題となっていて、どうすれば解決できるのか、を考えた時に、「GovTech Expressを使って解決できるかもしれない」という形で実装することが多いです。いろんな機能を組み合わせて解決策を構築でき
るのが、大きな利点
だと思います。

Key Person's BOSS 苅田町 デジタル推進室 原田室長

苅田町のDX推進の全体設計を行い、その思いを形にすべく奮闘する白川さんを力強く、そして温かく見守るデジタル推進室長の原田さんに、取り組みに対する意気込みを伺いました。

苅田町 デジタル推進室長 原田さん

GovTech Express導入後、様々な手続きをオンライン化したことで、LINEの登録者数も増加しています。今後は、住民サービスの向上が最優先ではありますが、その上で職員の業務効率化が期待できるものは、2025年度中に全てオンライン化を行うことを目標に取り組んでいます。DX化については、町長の応援、DX推進本部の推進力が高いので、どんどん新しいことに挑戦していきたいと考えています。

住民&担当課の「本音」

苅田町では、2024年11月に開催した避難所運営訓練において、LINEによる避難所受付の実証実験を行いました。住民はLINE 上で住民情報を入力しQRコードを生成。自治体職員は、QRコードをスマホから読み取るだけで受付が完了するという仕組みです。

参加者の多くは65歳以上の高齢者。12名が約3分で受付を完了しています。
実際に訓練に参加した住民(守さん)と、初めてのデジタル受付にチャレンジした危機管理室担当者(後郷さん)に話を聞きました。

防災機能利用住民 守さん
危機管理室後郷さん(写真中央)

質問:
避難所受付でLINEを使ってみようと思った理由は?

住民守さん回答:
避難訓練の際に、職員さんが「各地で災害が多く発生している。訓練の段階でも受付がままならなかったりするので、実際に大きな災害が起きたらもっと混雑する。準備できることはしていきたいので、デジタル化にご協力をお願いします」というお話しがあり、確かにそうだなと思い、LINEでの受付を試してみました。

質問:
実際に利用してみてどうでしたか?

住民守さん回答:
スマートフォンは、操作がわからないことが多く、操作方法を聞きによく携帯ショップに行っています。こんな私でも、LINEは普段から友だちやボランティアグループのやりとりで使っているので、すぐに操作できました

避難所の受付はかなり時間短縮された印象です。本当の災害だったら、もっと避難所がわっと押し寄せて混乱すると思うんですが、LINEで受付できると紙に記入する手間もなく早く避難できるので、本当に便利だなと思いました。

苅田町のLINEは、実はこの訓練の時に初めて登録しました。触ってみると、ハザードマップで危険地域を確認できたり、とっても便利だなと。自宅が安全だと思い込んでいましたが、危険地域だったので、災害発生時に行動を変えないといけないことがわかりました。

質問:
LINE活用の利点は?

危機管理室後郷さん回答:
LINEを使った避難所受付は、職員のスマホで対応ができます。特別な機器を避難所に配置するのはコストがかかりますが、その心配がないことや、受付時の待ち時間短縮や書類記入の必要がないのが大きなメリットです。QRコードを読み取るだけで受付できるので、想定以上の簡素化につながりました。

住民情報の登録については職員のサポートが必要な場合があり、登録のご案内の強化が必要だと感じました。どの世代でもスムーズに避難できるように、取り組んでいきます。

守さんと後郷さん
デジタル推進室の皆さま

4. 特集3:スマホ市役所事例

福岡県内や全国自治体12事例をご紹介しています。

1. 学校教育×オンライン申請(福岡県八女市)
保護者9割が利用する入学祝い金申請。
教育委員会の業務負担を半分に軽減し、教職員の働き方を改革。

2. 選挙事務×オンライン申請(福岡県うきは市)
3分で完了。不在者投票用紙のLINE申請で、投票率向上へ。

3. 職員給与明細×デジタル通知(福岡県鞍手町)
8割以上の職員が利用する、LINEで給与明細。
初期開発費用ゼロで、印刷郵送コストもゼロに。

4. 問い合わせ対応×生成AI(福岡県川崎町)
生成AIがまちのコンシェルジュ。
Q&A作成が不要で、ホームページの情報で回答。

5. 子育て支援×マッチング(長崎県長与町)
電話対応が原則ゼロに。ファミサポ事業のマッチングをデジタル化。

6. 子育て支援×生成AI(港区)
生成AIが子育て支援サービスをナビゲート。
一時保育や家事支援など、予約・申請がLINEで完結。

7. 防災×JPKI(岩手県)
JPKIを活用した避難所チェックインで職員負担93%削減。
避難所外避難者はMAPで把握可能。

8. 公共施設予約×スマートロック(山形県高畠町)
申請から鍵返却までの時間を96%削減。
スマートロックと連携した公共施設予約。

9. 給付金×デジタル送金(静岡県長泉町)
申請者の95%が利用、デジタル商品券で当日給付。
LINEとマイナンバーカードを活用した物価高騰対策給付事業。

10. 給付金×JPKI(岡山県総社市)
全国最短。マイナンバーカードを使ったスーパーファストパス。
PUSH型通知サービスで給付金手続き。

11. 介護福祉×自動回答(熊本県合志市)
電話対応を92%削減。要介護認定の進捗状況をLINEで自動回答。

12. 選挙事務×集計自動化(山口県長門市)
職員作業を98%削減した選挙事務。投票人数の自動集計で人的ミスも防ぐ。

5. スマホ市役所マガジン、配付を希望される方

Bot Express LINE公式アカウントを友だち追加し「お問い合わせ」から「事例集」を選択しお申し込みください。または、HPのお問い合わせフォームからも受け付けています。「マガジン希望」と記載しご連絡ください。

Bot Express LINE公式アカウント:https://lin.ee/XssrclA
Bot Express HP お問い合わせ:https://www.bot-express.com/contact/

さいごに

今回取材した古賀市の横山さんは「せっかくの電子申請なので、利用者が一瞬でも悩む時間を作りたくない」という思いで実装されています。住民の森田さんが「LINEを使った行政手続きの経験はなかったんですが、ぽんぽんぽん!であっという間に完了しました」とお話しされた時、とても嬉しそうな表情をされていたのが印象的でした。

苅田町の住民守さんは、それまで苅田町のLINEを利用したことはなかったそうです。しかし、避難所運営訓練の際に危機管理室から「実際に大きな災害が発生すれば、避難所はさらに混雑する。今のうちに準備を進めたいので、デジタル化のご協力をお願いしたい」という説明を受け、訓練に参加されています。デジタル化の目的を明確に示すことで、スマホの操作に不慣れな住民も理解し、試してくれることを実感しました。

守さんはLINEを通じてハザードマップを確認し、ご自宅が危険地域にあることを初めて知ったそうです。「災害発生時に適切な行動ができると分かって、よかった〜」と話されていました。苅田町のスマホ市役所は、「一番頼りになるツール」を目指し、着実に前進しています。

自治体のDX課は、DX推進担当者だけで実現できるものではなく、住民にサービスを提供している原課の皆様の理解と推進が必要です。また、新しい手続きを「住民が使ってくれるか」も重要なポイント。Bot Expressは、「住民利用率・住民満足度」、「職員の業務負荷軽減」を重視しており、本誌ではそれぞれのポイントについて深掘りしています。

vol.3 の企画はこれから。我が町の取材をぜひ!というパートナー自治体の方、お声がけいただけると幸いです。

スマホ市役所Magazine vol.2 にご協力いただいた古賀市・苅田町の皆様、ありがとうございました!

古賀市オフショット
苅田町オフショット

<関連情報>


この記事が参加している募集

自治体の最新事例や新機能をLINEでお届け。製品デモも操作可能!