【大阪府和泉市・山形県庄内町】交付金事業のデジタル実行(セミナーレポート)
1月31日、出産・子育て応援交付金事業のデジタル実行をテーマに、大阪府和泉市子育て支援室、山形県庄内町保健福祉課の担当者をお招きし「Bot Express Showcase 特別編(第9回)」を開催しました。今回は160名以上のお申込をいただきました。
自治体職員の管理画面もお見せするデモンストレーション含むアーカイブ動画と、ポイントを書き起こしたイベントレポートをお届けします。
1. 出産・子育て応援交付金の具体的な実装機能
交付金の主な事務手続きである、妊娠届、面談予約、給付金申請、給付金支給について、GovTech Expressを利用すれば、申請者が全て来庁せず、紙を使用せずに行うことができます。
なお、今回のデモンストレーションは、母子手帳交付番号と妊婦の氏名、生年月日が事前に登録されていますが、それ以外の業務フローでも対応可能です。
①妊娠届
②プッシュ通知から面談予約
③給付金申請
今回は妊娠期のものですが、この後出産期や育児期の申請も同様に作成することが可能です。また、出生日から算出して健診予約をプッシュ通知することもできます。ご契約済みの自治体であれば最短2週間で実装することができます。
今回ご覧いただいた機能は、既にGovTech Express導入自治体であれば無償で提供可能です。アイデア・活用方法次第で他の手続きにも可能性が広がる機能なので、ぜひお問い合わせいただき、一度ご自身で触ってみて下さい。
2.事例紹介
2-1.大阪府和泉市取り組み紹介
コロナワクチンをきっかけにGovTech Expressを導入し、ごみ収集日お知らせや通報(道路・公園などの損傷の報告)などの機能も活用。申請は他社システムも使っていますが、入口はLINEから入れるようにしています。
LINE登録者数は、コロナワクチン予約機能の実装前は16,000人程度でしたが、予約機能の利用者が増え、今は人口の約半数が登録している状況です。
▼なぜGovTech Expressを選んだか?
・早い
アンケート作成など簡単な改修は職員でも短時間でできます。また、お願いした場合もスピーディで、打ち合わせ後1時間で実行できたこともあります。
・うまい
何より最も大切なのは「市民に使ってもらえるサービスであること」。これまでもオンライン申請を試しましたが、市民側の目線で考えると、初めてのITツールに抵抗があるため、年に数回の行政手続きにあえて新しいツールを使うことがない・・という状況でした。
使い慣れたLINEで電子申請ができる、というのは一番の強みだと思います。
・安い
定額で、他の自治体が導入した機能を無料で使用できるので、基本的には追加機能でも費用が発生しません。
▼ワクチン予約での利用状況
年代別利用では、30代は76%、80代でも42%と幅広い年代で利用いただきました。
▼出産・子育て応援交付金事業
詳細はまだ決まっていませんが、現在検討中の内容をご紹介します。
申請は全てLINEからの予定です。この取り組みは今回で終わりではなく、今後は健診のお知らせなど、ライフイベントに従ったプッシュ通知をしていきたいと考えています。最終的には市民全体にLINEを使っていただきたいと思っています。
給付金は、事業趣旨である「子育てに使っていただきたい」ということ、直接手渡しすることで、保健師との親御さんとの関わりを持ちたいという理由から、プリペイド型クレジットカードを考えています。
申請の流れとしては、チャージされていないクレジットカードを住民に渡し、LINEでチャージ申請を受け付けてから金額を付与する形を考えています。
▼今後の展開
LINEは子育て分野に関わらず広報ツールや市民のニーズを把握するなどのアンケートの活用を考えています。GovTech Expressを活用することで、職員の業務負担を減らすこと、住民目線としては市役所に来ていただく回数を減らすこと、業務改善により、本来すべき市役所職員の住民ニーズを把握した支援業務に専念できるようにしていきたいと考えています。
2-2. 山形県庄内町取り組み紹介
▼LINE活用(子育て)
業務負担になっていることをLINE活用により解決し、子育て世代にとってもメリットがある形になれば良いなという思いで、少しずつ実施しています。
4月からは子育て情報の発信を行う予定で、いずれは乳幼児健診の予約受付・変更も考えています。利用者目線での利便性を大切にし、ブロックされない距離感を探りながら重要ツールとして捉えています。
現在母子手帳受取予約をLINEで開始していますが、1月に入り、LINEによる予約者が急激に増えていて嬉しく感じています。また、LINEが業務ツールとして浸透してきており、職員からLINEで予約受付しようという声が自然に上がってくるようになっています。
住民の申請から受取までの大幅な日数削減も魅力ですが、何より職員の作業効率が上がることが非常にメリットだと考えています。
3. 質疑応答
Q:他社のLINE運用ツールと共存可能か?
A:可能です。今まで共存・切替の実績があり、これまで共存できなかった事例がないので、お気軽にご相談ください。(Bot Express仁志出)
Q:マイナポータルの公金受取口座活用APIとの連携は?
A:時期は未定ですが、有効なニーズやユースケースを確認して開発を進めていきます。(Bot Expresss秋葉)
Q:導入によるメリット、デメリットは?
A:一番のメリットは使ってもらいやすい点です。
デメリットは特にありませんが、課題として、自治体システムはたくさんあり、申請したものを稟議に回して・・といった流れがありますが、それが繋がっていないため手作業になってしまうので、ここを繋げる仕組みが必要だと思っています。(和泉市)
A:デメリットはないです。(庄内町)
Q:自治体の予算組み、会計処理の流れは?
A:クレジットカードの場合、発行企業に委託するので予算は委託料です。
会計処理は毎月チャージした分を請求してもらい、委託料として支払う流れです。(和泉市)
A:1月補正予算で可決されています。補助金で計上しています。会計処理は補助金なので従来と同じ形です。(庄内町)
Q:マイナンバーカード交付率は?
A:およそ60%です。(庄内町)
Q:セブン銀行と口座振替どちらが多いか?
A:まだ口座振替が多いです。(庄内町)
4.「スマホ市役所」を実現するLINE拡張サービスGovTech Express紹介
Bot Expressの営業担当仁志出より、GovTech Expressについてご紹介しました。仁志出は前職の大津市役所で当社サービスを活用しており、利用者としての経験も豊富です。自治体職員目線でサービスについてお話しできますので、ぜひ気になる点があればお気軽にお問い合わせ下さい。
▼サービスの特徴
情報発信や手続等を行う単なるツールではなく、「スマホ市役所」というオンライン窓口を実現できるのが当社のGovTech Expressです。
1.説明書がいらないIT
一問一答の対話型で分かりやすく、LINEのトーク内で全てが完結します。
2.時間もコストも不要な双方向コミュニケーション
LINEでコミュニケーションをとり、申請の不備までLINEで完結。セグメント配信も可能です。
3.LINE、Web、電話で利用可能(Web、電話は2022年度中に提供予定)
住民の誰一人も取りこぼすことのないサービスを提供可能です。
4.自治体職員が開発
実現したいサービスをすぐ実装、各種助成金や国の方針の変化などに柔軟な対応が可能で、専用アプリのダウンロードは必要ありません。マイナンバーカードを利用した手続きがLINEで完結できます。
5.全国でシェア
他自治体で使用しているサービスはすべて利用可能。追加費用なく新機能が利用できます。メール連携や園児チェックイン機能など新機能を拡充しています。
▼スマホ市役所による住民の行動変化を促すサービス
文京区で12月から実施している子ども応援臨時支給金のサービスは、1ヶ月で想定件数の約8割が申請済みというスピード感です。6割がLINE経由で、住民にとって手続きが楽なだけでなく、職員の業務負担を軽減できる仕組みをとっています。LINE申請は郵送より審査の時間が圧倒的に早いとの報告も受けています。
現在Webフォームなど導入済みの自治体でも、ぜひその利用率を比べていただきたいと思います。その比較事例として、事例ブックをご紹介します。
利用者満足度98%の魚津市、一時保育利用率がほぼ100%の伊勢市、アンケート回答率が紙の50倍以上になった狛江市など、住民の行動変化を促すと共に、職員の業務改善につながった様々な事例があります。
マイナンバーカードを使った手続き
こちらのレポートをご参照下さい(魚津市、福山市事例)
次回Bot Express Showcaseのお知らせ
2月28日(火)15時〜を予定しています。テーマは「役所窓口の待ち時間ゼロへ。マイナポイント操作支援窓口への予約制導入」、愛知県豊田市行政改革推進課 廣濱氏をゲストに迎えお送りします。