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妊娠出産期から学校教育まで「つながる子育て」を実現できる、スマホ市役所版こどもDX

「子育て」といってもとても幅広く、妊娠から出産・乳幼児期・幼少期・児童・生徒など様々なライフステージが存在し、必要な手続きも異なります。さらには、自治体の内部も子育てや福祉部署、教育委員会と多くの部署が関与していており、制度やシステムがバラバラであることも課題になっています。そこで、今回はライフステージに応じた手続きや予約などを一つのツールにする統一することができる「GovTech Express」の活用方法を紹介します。

住民には切れ目のないサービスを提供し、複雑な手続きをオンライン化することはもちろん、これまでの電子申請にはなかった「プッシュ型」の通知で必要な情報や手続きをもらすことがありません。
住民と公務員の「めんどくさい」をデジタルの力でなくしていきましょう。


1. プッシュ型の子育て支援をLINEで

プッシュ型子育て情報発信

自治体からの情報発信は広報やSNS、ホームページなど。自分が知りたい情報ではないものも溢れ、なかなか見つけられないこともあります。そんな時に知りたい情報をプッシュ型でLINEで届けることが出来ます。

世田谷区のプッシュ型子育て情報発信(登録画面と届いたメッセージ)

上の画像は、世田谷区の事例ですが、妊娠状況やお子様の生年月日を登録することで妊娠・子育て応援メッセージを配信された実際の画面です。妊娠週数や月齢に応じたメッセージを自動配信することもできるため、一度セットアップすると職員の手間が発生しません。
プッシュ型の子育て支援は各地で始まっています。南島原市の事例はこちらからご覧ください。

プッシュ型スーパーファストパス手続き

マイナンバーカードを使って事前登録をした住民に対して、対象となる給付金などの行政サービスをPUSHでお知らせすることも可能になりました。
対象住民は、LINEで届く給付金情報を確認するだけで、手続きを完了することが可能になり、住所や名前などを入力する必要もありません。

総社市でのプッシュ型スーパーファストパス、手続き操作画面

いち早く実装した岡山県総社市は、給付金に必要なことは「早く・簡単・漏れなく届ける」だと思ったといいます。今までの行政サービスは、「ホームページに掲示をして申請をいただく」という形でした。これをトランスフォーメーションをするということで、対象者に直接「通知して確認をすれば手続きが完了する」という形に変更し、住民税非課税世帯向けの7万円給付の年内給付を実現させました。
実際に利用した住民の声はこちらのレポートから確認できます。

2. 子育てに関わるすべての予約をLINEで

予約機能は、GovTech Expressが一番得意としている分野です。
すでに、母子手帳交付、妊婦8ヶ月面談、オンライン相談、集団健診、一時保育預かり、予防接種、保護者面談、いじめ相談、子育て施設の予約を実装しています。

波佐見町では、母子手帳交付予約や集団検診などの予約をLINEで実装している。

様々な分野で予約機能は活用されていますが、特にお子さんの体調の変化で急なキャンセルを行ったり予約変更を行うたびに、開庁時間内に電話をしなければならないものが、LINEで24時間365日対応でかつ、簡単にスピーディーに予約できるということは、子育て中の方の負担を大きく減らすことにつながります。

職員は、このようなキャンセル等の対応や予約結果の通知、保護者への事務連絡も電話ではなくLINEですますことができ、日中の電話対応から開放され本当に対面でサポートが必要な方へ寄り添う時間を作ることができます。

3. 自分にあった保育園を探す「保活」をLINEで

繁忙期の窓口来庁者数が、導入前比30%も減少させた「練馬区」のLINE保活機能。保育園検索としては、いちばん重要な通園距離を、自宅や勤務先からなど場所を特定して半径何メートル以内で検索することができる検索機能をLINEで実現しています。さらに、位置情報からの検索機能だけではなく、入園予定日や、保育施設の種類、アレルギーの有無に応じて絞り込むことができる優れた保活機能。
保育園検索の他に、保育指数シミュレーションもLINEで実現しています。

練馬区の保育園検索の画面。

4. こどもの安全をLINEで確認

こどもが登園したことをチェックイン機能で登降園の打刻を行うことができます。さらには、登園したことを保護者にLINE通知することができ、逆に登園しなかった場合はアラートをLINEで通知することが可能です。
こどもの安全は園だけでなく保護者も確認できることでダブルチェックすることができる仕組みとなっており、通園バスに園児が置き去りになるような事故をなくす事ができればと開発された機能です。

チェックイン機能は、入退室管理にも活用されています。美濃加茂市では、子育て支援センターでQRコードを読み取りチェックインしています。これまで、小さな子どもを抱きかかえながら紙に入退館を記入していたものが、スマホから約10秒で手続きできるようになった事例です。

5. 学校と保護者間の連絡はすべてLINEで

欠席・遅刻連絡機能

保護者は、LINEから24時間欠席や遅刻などの連絡が可能。学校は電話対応のために当番制で朝早くに出勤する必要がなく、これまで電話にかかっていた時間を自分の仕事にあてることができます。

各グループへのメッセージ配信

保護者は、自分の子どもに直接関係する情報や、臨時休校や緊急時の対応等の注意喚起などがLINEでスピーディに届きます。学校は、クラス、学年、部活、PTAといったグループにスムーズにメッセージ配信を行うことが出来ます。

アンケート機能

個人懇談や家庭訪問の希望日時調整がLINEでも可能になります。仕事の都合でキャンセルや日程変更が必要になった場合でも、紙や電話での日程調整をデジタル化することで、保護者と教員の時間を有効に利用することができます。

6. さいごに

公務員時代、情報システム課にいたころは、各部署ごとに導入されているシステムの調達やシステム統合から再構築までいろんな経験をしました。バラバラのシステムを使うと、異動により新しい担当になった職員がイチから学ぶ必要があったり、構築した時の担当者がいないと全くわからないなんてことも。当時、ひとつで全部のことができる魔法のようなシステムはないものかと思っていましたが、今は「GovTech Express」があります。私が抱いていたような悩みをお持ちの職員の皆さん、課題は解決できます。

住民は、ライフステージに応じた子育てに関する全ての手続と予約を、誰もが簡単に使えるLINEひとつで行えることで、手続きごとにUIが変わったりすることもなく、結局電話がかかってくることで時間を取られることもありません。

妊娠から大人になるまでの手続きをワンストップでできることで、住民と公務員の時間の余裕を生み出す好循環になると考えています。

2024年3月時点では、全国で220以上の自治体に導入しています。「引っ越しても同じ方法で手続きができる」そんな未来を実現するために、全国の自治体で導入していただけるように頑張りたいと思います。

<参考資料>
GovTech Expressで実装できる機能、実装している自治体名、住民・職員メリット、担当職員の声、導入スケジュールなどをまとめています。
自治体に無償配布していますので、ご希望の方はお問い合わせください。
ジャンルは「子育て」「防災」「学校教育」「ごみ」です。

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